CNET Japanの編集記者が気になる話題などを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。今回は1月14日と15日に、日本武道館にて行われた、「アイドルマスター ミリオンライブ!」(ミリオンライブ!)をテーマとしたライブイベント「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 9thLIVE ChoruSp@rkle!!」の模様をお届けする。
「ミリオンライブ!」は、「アイドルマスター」シリーズのひとつとしてモバイルゲームを基点に多方面で展開。2023年2月には10周年を迎え、TVアニメ展開も控えている。本公演は、この「ミリオンライブ!」から登場しているアイドル(キャラクター)ならびに、その声を担当しているキャスト陣「ミリオンスターズ」によるライブイベント。
ミリオンスターズが武道館で単独ライブを行うのは、2017年3月に開催された4thライブ以来、約6年ぶりのこと。ミリオンライブ!としての最初の楽曲である「Thank You!」には「手作りの『ぶどーかん』」というフレーズもあるなど、武道館は思い出の場所となっている。
会場内では新型コロナウイルスの感染拡大防止、ならびに飛沫防止の観点から、公演中はマスク着用のうえで声援は控える形となっており、集まった“プロデューサーさん”(※アイドルマスターシリーズのファンのこと)は、キャストによるパフォーマンスやトークに対しては、拍手を送ったりコンサートライトを振って応えていた。あわせて、国内だけではなく海外もあわせてオンライン配信による中継も実施した。
ライブタイトルである「ChoruSp@rkle!!」(※読み方は「コーラスパークル」)は、歌声の「コーラス」と、色とりどりの個性をスパークルさせてカッコいいステージをお届けするという意味で付けられたもの。公演では、CDシリーズ「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! M@STER SPARKLE2」に収録されている、最新ソロ曲の披露を中心として、「ChoruSp@rkle!! MIX」と題し、このライブのためにリミックスされたユニット曲を織り交ぜる形で進行。ステージはモニターを含めて円形や曲線を強調するようなセットが組まれ、左右非対称で段差があるのも目を引いていた。
出演したのは、DAY1がMachicoさん(伊吹翼役)、郁原ゆうさん(エミリー スチュアート役)、平山笑美さん(北上麗花役)、近藤唯さん(篠宮可憐役)、角元明日香さん(島原エレナ役)、南早紀さん(白石紬役)、渡部恵子さん(周防桃子役)、諏訪彩花さん(徳川まつり役)、末柄里恵さん(豊川風花役)、原嶋あかりさん(中谷育役)、伊藤美来さん(七尾百合子役)、野村香菜子さん(二階堂千鶴役)、麻倉ももさん(箱崎星梨花役)、浜崎奈々さん(福田のり子役)、桐谷蝶々さん(宮尾美也役)、夏川椎菜さん(望月杏奈役)、渡部優衣さん(横山奈緖役)。DAY2が山崎はるかさん(春日未来役)、田所あずささん(最上静香役)、稲川英里さん(大神環役)、雨宮天さん(北沢志保役)、田村奈央さん(木下ひなた役)、香里有佐さん(桜守歌織役)、大関英里さん(佐竹美奈子役)、駒形友梨さん(高山紗代子役)、小岩井ことりさん(天空橋朋花役)、藤井ゆきよさん(所恵美役)、斉藤佑圭さん(永吉昴役)、小笠原早紀さん(野々原茜役)、髙橋ミナミさん(馬場このみ役)、阿部里果さん(真壁瑞希役)、山口立花子さん(百瀬莉緒役)、木戸衣吹さん(矢吹可奈役)、中村温姫さん(ロコ役)。
開演に先だって、TVアニメ内で使用するクラップ(手拍子)音源の収録を両日ともに実施。画面に表示されたタイミングにあわせて拍手をするというもので、さまざまなパターンでの収録が行われ、息の合った拍手で無事に収録が終了するとともに、ライブに向けた一体感を高めるものとなっていた。
DAY1の開演前には、765プロライブ劇場(シアター)の事務員である青羽美咲による前説、アイドルたちを映し出すオープニング映像が流れて、ライブ本編がスタート。その1曲目は、「ミリシタ」5周年記念曲である「夢にかけるRainbow」。同じく5周年記念衣装である「プラウド・オブ・ステージ」をまとって登場し、楽曲にあわせるように凛々しい姿を見せつつも、ライブの喜びを感じさせるような表情を浮かべながら歌っていた。
冒頭の挨拶では、武道館に帰ってきたことを喜ぶ光景が見られたほか、ライブタイトルの説明や衣装紹介として、ライブではおなじみの回ってみせるといったことも。賑やかにトークを繰り広げたあと、ここからはソロ曲とユニット曲を披露する流れに。
ライブ2曲目は「brave HARMONY(ChoruSp@rkle!! MIX)」(浜崎さん、夏川さん、Machicoさん、末柄さん)。まだこの段階では、新たなリミックス曲が披露されるということがわかっていなかったこともあり、聴きなれないイントロから「brave HARMONY」とわかるメロディが流れタイトルも表示されると、軽いどよめきも。アレンジによって疾走感を増した楽曲により、序盤から場内の熱気を高めていった。
ソロ曲披露の先陣を切ったのは、渡部優衣さんによる「稲妻スピリット」。間奏では、奈緖としての熱いセリフでプロデューサーさんたちに語りかけつつ、カッコよさとダイナミックなステージで引き付けていた。それに続いた、近藤さんによる「勇気のfragrance」では、臆病な可憐の前向きな変化を、ポップな曲調とストレートに響くような歌声で伝えていた。
角元さんによる「愛のMagic! Once Again!」では、4人のダンサーとパフォーマンスを行い、振りでの掛け合いをして賑やかな雰囲気を出しつつ、明るく元気なエレナの姿を表現。ラストにはプロデューサーに声をかけつつ、一緒になって腕を振って一体感を作り出していた。また、桐谷さんが披露したのは「Walking on the Square」。アップテンポでノリノリになれる曲調にのせて軽快に歌い、マイペースな美也が楽しく歩いている姿がイメージできるようなステージとなっていた。
そして、「創造は始まりの風を連れて(ChoruSp@rkle!! MIX)」(近藤さん、渡部恵子さん、諏訪さん、野村さん、渡部優衣さん)の披露に。オリジナルは、剣と魔法のファンタジーをテーマにした劇中劇をイメージした、いわゆる“バトルもの”の楽曲となっているなか、EDMを強くきかせたアレンジとなっており、間奏のダンスパフォーマンスや、オリジナルメンバーではない5人とあって、よりカッコよく新鮮な気持ちで聴く、そして見ることができるものとなっていた。
MCでは、アイドルとキャストとしての自己紹介をしつつ、ここまで披露した楽曲についての感想を語る。またこの公演には「ChoruSp@rkle!! MIX」があることを説明しつつ、披露した「brave HARMONY(ChoruSp@rkle!! MIX)」には、振りもリミックスバージョンとして違ったものが入っていることなども語られていた。
再開後は、末柄さんによる「裏表深層心理」から。ジャジーなサウンドにのせて、風花の“大人な女性”を表現するようなセクシーさと、クールでカッコいい一面を伝えていた。野村さんによる「Collier De Perles」では、千鶴が持つエレガントな雰囲気と、その理想を目指す心情をまっすぐな歌声で伝えるものに。さらに諏訪さんによる「シャル・ウィー・ダンス?」では、せつなさを感じさせる曲調のなか、まっすぐに手を差し出したり、時折スカートのすそを手にしながら優しく歌い、まつりから醸し出される“姫”の雰囲気を出しつつも、等身大の可愛らしさを表現していた。
郁原さんの「絵羽模様」では、大和撫子に憧れるエミリーの“和”の世界を表現するような華やかな背景が映しだされるなか、ポップな曲調にのせて柔らかくも芯のある歌声を響かせ、最後には満面の笑みを浮かべて締めくくる。南さんによる「折紙物語」では、“和”の雰囲気を醸し出す紬をほうふつとさせるような、手の指先まで丁寧に動かしていると感じさせる振り付けとともに、これまでとは違った爽快さと優しさが感じられるメロディにのせて歌っていた。
そして、「永遠の花(ChoruSp@rkle!! MIX)」(平山さん、原嶋さん、麻倉さん、桐谷さん)。デジタルサウンドが強まったリミックストとなりつつも、オリジナルが持つ心地よさや温かさを感じさせる楽曲と歌声になっていた。
一息付くようなここでのMCでは、楽曲の感想はもとより、野村さんの愛称であるはずの“かっく”がキャスト陣にもプロデューサーさんにも浸透せず、唯一麻倉さんだけが呼んでいるというエピソードなどで盛り上がっていた。
ここからは、まず「HOME, SWEET FRIENDSHIP(ChoruSp@rkle!! MIX)」(伊藤さん、南さん、角元さん)の披露に。オリジナルから豪華さやオシャレ感のあるアレンジが加わった楽曲となり、歌い進めるなかでは3人がスマートフォンで客席のプロデューサーさんと自撮りをする一幕も。撮影した写真は、ミリオンライブ!のブランド公式Twitterに掲載されている。
ソロ曲のパートは、渡部恵子さんによる「リーチ・アップ・ステップ!」から。頬や口など顔の近くに指を近づけたり、大きく手を振ったり、間奏におけるセリフでのアピールなども含めて、桃子がアイドルとして歌う可愛らしいステージを存分に伝えるものに。原嶋さんは「キミが真ん中にいた」を歌う。どこか懐かしさを感じる曲調のなか、全身を使った大きな振りも可愛らしく、歌詞にあわせてコロコロと表情を変えているところも含めて、等身大の育そのものが歌っていると思えるようなステージとなっていた。
夏川さんによる「スポットライト・ミラーランド」では、杏奈をイメージするようなウサギの耳を示す振りを入れつつ、曲中では“合わせ鏡”のフレーズにあわせて、映像も反転した夏川さんも映し出す演出なども織り交ぜながら、神秘的に感じられる曲調と歌声で楽曲の世界観を作り出していた。伊藤さんが披露した「恋のWa・Wo・N」は、懐かしの王道アイドルソングと言えるような曲調や可愛らしい振り付けで、歌詞に込められた文学少女としての百合子と、アイドル感を存分に醸し出す百合子をあわせて伝えるものとなっていた。
ここからは、「ミリシタ」5周年にあわせて展開された「MILLION THEATER SEASON」における4つのテーマソングを、出演者が参加しているオリジナルユニットに分かれて、ショートバージョンのメドレーで歌い繋ぐコーナーに。BRIGHT DIAMONDは「ダイヤモンド・クラリティ」(渡部恵子さん、諏訪さん、Machicoさん、桐谷さん)を軽快に歌えば、CLEVER CLOVERの「Shamrock Vivace」(角元さん、野村さん、麻倉さん、渡部優衣さん)は、ビッグバンドソングでゴージャス感を醸し出す。LOVERS HEARTによる「空色♡ Birthday Card」(浜崎さん、平山さん、伊藤さん、夏川さん)は、明るさと切なさを感じさせるように歌い、SHADE OF SPADEの「ESPADA」(末柄さん、近藤さん、原嶋さん、南さん)は、クールなカッコよさを前面に押し出していた。
MCでは、渡部恵子さんが「ミリシタ」におけるアイドルの第2の髪型とも言える「セカンドヘアスタイル」をしていることや、「リーチ・アップ・ステップ!」の振り付けでは、過去の桃子ソロ曲のオマージュを入れていることなどが語られた。
最終ブロックと紹介されてまず披露されたのは、麻倉さんによる「きまぐれユモレスク」。柔らかさと切なさを感じさせる曲調に、星梨花として歌うときのキュートな歌声や、笑顔や困り顔といった表情、「すき」「きらい」が連呼されつつ、小悪魔感もあるような歌詞といったところも含めて、見る人聴く人全てのハートを包み込みつつ的確に射貫くような、可愛い可愛い星梨花ワールドを作り上げていた。
浜崎さんは「きみがくれた言葉があるから」を歌う。壮大さを感じさせるバラード楽曲で、のり子として歌うときの力強さがストレートに訴えかけてくる、そんな思いや気持ちが伝わるステージとなっていた。さらに、平山さんによる「ふたり繋ぐ星座」では、モニターに映し出された星空を背景に、高い表現力と歌唱力の持ち主と感じさせるぐらいの、麗花として歌うときの澄んだ歌声を会場いっぱいに響かせていた。
DAY1におけるソロ曲披露の最後となったのは、Machicoさんの「泣き空、のち」。どこか暖さを感じさせる落ち着いた曲調のなか、間奏ではプロデューサーさんと一緒になって拍手をしつつ、翼としての可愛らしくも切ない歌声で、楽曲で描かれている心情を語りかけるように歌っていた。
ライブも終盤というところで披露された「FairyTaleじゃいられない(ChoruSp@rkle!! MIX)」(浜崎さん、伊藤さん、平山さん、麻倉さん、夏川さん、渡部優衣さん、桐谷さん)は、オリジナルが持つ疾走感に躍動感を加えたようなアレンジで、クライマックスに向けた熱気を高めていく。さらに「咲くは浮世の君花火(ChoruSp@rkle!! MIX)」(原嶋さん、角元さん、南さん、諏訪さん、末柄さん、Machicoさん、渡部恵子さん、近藤さん、野村さん)は、オリジナルのお祭りソングから、重低音を強くきかせて一新したアレンジで、興奮してるのが伝わるような空間となっていた。
本編のラストは「DIAMOND DAYS(ChoruSp@rkle!! MIX)」。オリジナルは4thライブでも歌われており、アレンジバージョンを通じて成長した姿を見せるように歌い、終盤では一緒になって拍手をして、会場中が一体となっていた。
アンコールを求める拍手を経て、美咲による業務連絡と題して今後の情報について公開。なかでも、これまでの軌跡と新曲にのせた10周年記念PVで懐かしむところもあれば、TVアニメの続報として10月放送予定や、先だっての先行劇場公開が発表されると、大きな拍手に包まれていた。
そして改めてキャスト陣が登場。アンコールとして歌ったのは、アニメプロローグイメージMVでも使われていた「セブンカウント」。美しい歌声で紡がれるバラードソングで、さまざまな色のコンサートライトが振られるなかで歌唱。最後には、それぞれアイドルのイメージカラーで照らされる光景も印象的なものとなっていた。
終わりの挨拶として、それぞれライブの感想が語られる。こと、紬と歌織が「ミリシタ」から登場したアイドルで、南さんとDAY2に出演する香里さんはそれにあわせて加入したキャスト。挨拶のなかで南さんは、4thライブは2人で見ている側だったことを振り返りつつ、今回のステージに立てたことや、温かく迎え入れてくれたことへの感謝を語っていた。
アンコールのラストを飾ったのは「Thank You! -MR remix-」。ウェブラジオ「アイドルマスター ミリオンラジオ!」発のリミックスバージョンにのせて、会場のプロデューサーさんたちに挨拶をしながら歌い、DAY2へと繋げていった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果