この数年間、FacebookやInstagram、YouTube、TikTokはそれぞれ、政治的な論争からデータプライバシーの懸念まで、さまざまな困難に直面してきた。だが、自らに存亡の危機に向かっていくソーシャルメディアは、ほとんどいなかった。Teslaの最高経営責任者(CEO)を務めるElon Musk氏が、米国時間10月27日にTwitterを440億ドルで買収するまでは、の話だ。
同氏はTwitterの従業員の半数を解雇した後、サービスを提供し続けるために人材が必要なことに気づき、解雇した3700人の従業員の一部を再び雇おうとした。また、Twitter買収のために借り入れた130億ドルの返済期限があることから、破産申請の可能性について公に言及した。Musk氏が新しい、より「ハードコア」な「Twitter 2.0」を推進し、同氏への忠誠を誓うことをスタッフに求めた結果、1200人のエンジニアと他の主要な従業員が同社を去ったと報じられている。さらに、同氏が有料の認証サービスを開始したところ、すぐに大企業になりすますユーザーが現れたほか、同氏はKanye "Ye" West氏とDonald Trump前米大統領のアカウントも復活させた。
Musk氏が買収以降に投稿した、最も皮肉の効いたツイートは、「ソーシャルメディアで小さな財産を築くには、どうすればいいか。大きなところから始めればいい」というものだ。
2022年初頭には、NFTがブームになった(地球上のほとんどの人は、NFTがどんなものなのか理解していなかったかもしれないが)。ビットコインなどの仮想通貨が高騰していたが、FTXの知名度はまだ低かった。
それから11カ月後の現在、ビットコインやその他の仮想通貨の市場は、時価総額の2兆ドル分が吹き飛んだ夏の大暴落からまだ回復できていない。11月には、中央集権型仮想通貨取引所のFTXが、競合するBinanceに買収計画を撤回されたことを受けて、破産法の適用を申請した。その後の調査で、FTXは流動性と深刻なリスクの問題を抱えた砂上の楼閣であり、なるべくして存続が不可能になったことが明らかになった。2022年末時点の仮想通貨は、年初と同様、皆の注目を集めている。ただし、その理由は、考えられる最悪の事態によるものに変わってしまった。
この数年間、仮想通貨は上昇する一方だったが、2022年夏の大暴落は、利益が保証されているわけではないことを痛感させるものになった。また、金銭の管理に関しては、ビジネスで実証済みの基本事項が重要なのかもしれない、ということも思い知らせてくれた。
それにもかかわらず、NFTのブームはどういうわけか、今でも続いている。
Facebookがメタバースに全面的に参入し、CEOのMark Zuckerberg氏がこの新しい仮想プラットフォームに全力投球していることを表すために、社名をMetaに変更したのは、1年と少し前のことだ。
メタバースにまだ参加しておらず、取り残されるのではないかという不安を感じている人もいるかもしれない。だが、心配は無用だ。メタバースはまだブームになっていない。
仮想現実(VR)は、コロナ禍によるロックダウンの際に少しの間だけブームになった。特に、MetaはVRヘッドセット「Quest 2」の販売を伸ばし、利益をあげている。VRの魅力を人々に感じてもらうには、パンデミックと、ロックダウンの規制によって自宅から出られなくなることが必要だったのだ。
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