波乱の2022年IT業界から学ぶ8つの教訓--Twitterの混乱、仮想通貨の暴落など - (page 3)

Roger Cheng (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年12月07日 07時30分

教訓6:物価が上がっているので、お金は賢く運用しなければいけない

 インフレは2022年の重要なバズワードだ。多くの人が物価上昇の影響を感じている。ガソリンスタンドやスーパーマーケット、そして、もちろんテクノロジーの世界でも、私たちはその影響を受けている。

 Metaは、普及促進のために、VRヘッドセットの価格を低めに設定していたが、2020年に発売されたQuest 2の価格を100ドル値上げして399.99ドルにした。2022年11月には、「YouTube Premium」の月額料金が米国では5ドル値上げされ、22.99ドルになった。「Disney+」は8月に値上げを発表し、Appleは10月、「Apple Music」と「Apple TV+」のさまざまなプランを値上げした。

 値上げの中には避けられないものもあるので、ユーザーは予算と支出をもっと賢く管理する必要がある。また、ストリーミングサービスが広告を含む低料金のプランを提供しているとはいえ、ユーザーは本当に見たい映画やテレビ番組について、もっと賢明に判断しなければならない。

教訓7:チップ不足問題がすぐに解決することはない

 自動車からグラフィックカードまで、あらゆるものが不足している最大の原因の1つは、パンデミックによるアジアでの減産、特に半導体などの部品に影響を及ぼす減産の波及効果だった。こうした状況は、事実上すべてのものを動かす小さなチップについて、ほんの数社のサプライヤーに大きく依存していることを浮き彫りにした。

 Intelは2021年、米国でのチップ生産を再開する壮大な計画を発表し、それを実現するための次世代ツールに投資してきた。

 しかし、同社が2022年10月、第3四半期の利益が前年同期比で85%減少したことを報告し、通年の売上高が予想を下回る見通しだと警告したことで、その計画は大きな壁にぶち当たった。これは厳しい決算報告であり、米国でチップの自給自足体制を確立するというIntelの壮大な計画が実現するまでには何年もかかることを思い知らせるものになった。

教訓8:人工知能(AI)を恐れる必要はない(今のところは)

 最後に取り上げるのは、少し奇妙な教訓だ。人工知能(AI)の危険性と今後の方向性については、多くのことが語られてきた。GoogleのソフトウェアエンジニアだったBlake Lemoineさんは、同社で開発中のAIが感情を持つようになったとして懸念を公に表明し、不安をあおった。

 Lemoineさんが言及したのは、冗談を理解できるほどの知能を持つとされるGoogleの「LaMDA」(Language Model for Dialogue Applications)だ。

 Googleは、Lemoineさんが内部情報を漏らしたとして、同氏を解雇した。

 性能はAIシステムによって差がありそうだ。Metaのチャットボット「BlenderBot 3」は、米CNETのQueenie Wong記者との奇妙な会話の中で、Facebookのことがあまり好きではないと述べた。Metaには、「Galactica」というAIシステムもある。Galacticaは、事実に基づく科学論文を何百万本も取り込み、「科学を整理する」ことを目指していたが、誤った情報を吐き出したため、公開停止を余儀なくされた。その一方で、ユーザーが入力したテキストを基に、AIを使用して画像を生成する「DALL-E」もある。DALL-Eは2022年の総括で言及するのにふさわしい奇妙さを備えていると言えるだろう。

 Lemoineさんは懸念しているが、近い将来、AIシステムに感情が芽生えることはなさそうだ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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