しかし、メタバースは期待されたほど軌道に乗っておらず、Metaは現実的に痛みを感じている(つまり、多額の損失を計上している)。Meta(旧Facebook)がまだ軌道に乗っていないプラットフォームへの投資を開始した一方で、同社の中核的な広告事業は不況下で低迷した。その結果、Metaの全従業員の13%に相当する1万1000人の従業員が解雇された。
2022年の「Meta Connect」カンファレンスでは、1499.99ドルの「Quest Pro」が発表されたが、評判はイマイチで、消費者向けでもなかった。同社は、基調講演のデモの際に、プリレンダリングとモーションキャプチャーで生成されていたデジタルアバターの脚を「本物の」仮想レンダリングされた脚として提示し、この技術が実際よりも進んでいるという印象を与えようとしたが、その試みはうまくいかなかったようだ。
パーティーの出し物として持ってきたデジタルの脚なのだから、正式なものであるべきだった。
2022年、私たちは、いくつかの有名なサービスと、存在すらほとんど認識していなかったいくつかのサービスに別れを告げた。ここから得られる教訓は、大いに期待されていた製品やサービスでさえ、一瞬で消滅する可能性がある、ということだ。
その実例がGoogleの「Stadia」だ。Stadiaは2019年、ゲームのプレイ方法に革命をもたらすことを目指してローンチされたが、Googleは2023年1月に同サービスの提供を終了することを発表した。
登場し、去って行った製品は他にもある。Spotifyの「Car Thing」は、2021年に発表された車載アクセサリーだが、一般販売が開始されたのは2022年2月のことだった。それから5カ月後、同社は、販売台数が伸びなかったとして、Car Thingの生産終了を発表した。
タブレットとプロジェクターを組み合わせた製品で、インタラクティブなゲームを通して子どもが親戚たちと一緒に時間を過ごせるようにすることを目指した「Amazon Glow」も同じ運命をたどった。Amazon GlowはCar Thingよりも少しだけ長く存続し、約6カ月にわたって子どもに笑顔をもたらした後、10月に販売が終了した。
それらより長期間存続したが、問題も抱えていた製品シリーズが「Facebook Portal」だ。Facebook Portalは、コロナ禍で離れて暮らす家族などとつながりたいと、私たちが切望していたときに多少は注目を浴びたが、消費者向け製品から徐々に離れていたMetaは6月、Portalの生産を終了すると報じられた。
ブラックフライデーが少し前に終了し、サイバーマンデーも過ぎて日が浅いタイミングで、このような意見を表明するのは皮肉だと理解しているが、消費を賞賛するそれらの特定のイベントは、しばらく前から実施されているということを思い出してほしい。これらのセールは慣習のようなものになっている。
通常は7月に開催されるAmazonの元祖「プライムデー」も、そうした現象になりつつある。しかし、同社は10月、欲張って、一部の国で2回目のプライムデーを開催した。
2日間のセールが開催され、終了したが、夏のプライムデーに比べて、顧客の関心がはるかに低いことは明白だった。ブラックフライデーの1カ月少し前に実施されたことを考えると、そこまで低調だったことに筆者はショックを受けている。
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