2022年は折りたたみ式スマホの当たり年？--多数の企業が新製品を開発か - (page 3)

Googleの「Pixel Fold」（または「Pixel Notepad」）

　Googleは、折りたたみ式スマートフォンの時流に乗る次の大手テクノロジー企業になるかもしれない。9to5Googleによると、同社はOPPOの「Find N」に似た形状で、Galaxy Z Fold3よりも低価格の折りたたみ式「Pixel」スマートフォンの開発に取り組んでいる可能性があるという。また、このスマートフォンは「Pixel Notepad」という名称になる可能性があるが、カメラ性能は「Pixel 6」よりも低くなるかもしれないという。

Googleの特許申請書に載っていた折りたたみスマホのイメージ。
提供：Google

　Googleは折りたたみ式スマートフォンをリリースする計画について、まだ何も語っていない。同社の年次開発者会議であり、新しいテクノロジーコンセプトが披露されることもある「Google I/O」でも、折りたたみ式Pixelに関する手がかりは一切なかった。しかし、Googleがこのところハードウェアに注力している（Google I/Oでは6種類の新しいガジェットが発表された）ことを考えると、同社が折りたたみ式スマートフォンを試みるとしても、意外なことではない。

　Googleが折りたたみ式スマートフォンを実際に開発中だとしても、発表時期は不明だ。韓国のニュースサイトTHE ELECによると、Googleはこのデバイスを2022年第4四半期に発表する計画だったが、延期したという。

TCLの折りたたみ式スマートフォン

　TCLは、2021年にクラムシェル型の折りたたみ式スマートフォンを発売する計画を取りやめたが、まだ諦めてはいない。同社は2022年に入って、巻き取り式ディスプレイを備えたスマートフォンと折りたたみ式ディスプレイを搭載したスマートフォンという2つの新しいコンセプトを披露している。折りたたみ式の方は内側にも外側にも曲がるディスプレイを備えており、巻き取り式の方はディスプレイを折りたためるだけでなく、外側に引き出したりして画面サイズを変えることが可能だ。

TCLの折りたたみスマホのコンセプト機。
提供：Lisa Eadicicco/CNET

　TCLは、折りたたみ式スマートフォンの発表時期について、何も語っていない。しかし、もし実際に発売するのなら、価格を700ドル以下に抑える計画だ、と米CNETに述べたことがある。その価格を実現するのは容易ではないだろうが、願わくば、それがきっかけとなって、他のスマートフォンメーカーも折りたたみ式スマートフォンを同様の手頃な価格で提供するようになってほしい。

折りたたみ式「iPhone」

　Appleは、折りたたみ式スマートフォンを発売していない数少ない大手スマートフォンメーカーの1社であり、今後発売するかどうかも不明だ。しかし、折り曲げ可能なディスプレイを備えた「iPhone」のうわさは何年も前から流れており、さまざまな憶測を呼んでいる。Appleが折りたたみ式iPhoneの開発に取り組んでいたとしても、発売されるのは数年後になる可能性が高い。BloombergのMark Gurman氏が2021年にニュースレターの「Power On」に記したところによると、折りたたみ式iPhoneの発売にはまだ2～3年かかるという。9to5Macの2022年2月の報道では、ディスプレイアナリストのYoung氏が、Appleの折りたたみ式iPhoneの発売は2025年まで延期された可能性が高いと述べていたという。

iPhoneが折りたたみ可能になったらどうなるか、という想像図。YouTuberのConceptsiPhoneの作。
提供：ConceptsiPhone

　自社初の折りたたみ式スマートフォンの発売を数年先延ばしにするのは、悪い考えではないかもしれない。IDCによると、2025年までに、折りたたみ式スマートフォンがスマートフォン市場全体に占める割合は1.8％になる見通しで、2021年の0.5％から急増するという。さらに、折りたたみ式スマートフォンは、ハイエンド「Android」スマートフォン市場の3分の1を占めるようになる見通しだという。