2021年1月にGoogleによる買収の手続きが完了したFitbitは、最終的にGoogleのスマートウォッチに組み込まれるものと常々予測されてきた。Googleの今回の発表はそのプロセスの第1段階となり、Fitbitアプリは2021年後半にWear OSに組み込まれる予定だ。
またFitbitは、独自のWear OSスマートウォッチの開発も進めている。上位のチップと、サムスン-GoogleのOS設計という共通のブループリントが採用される予定だが、これが登場するのは早くても2022年になりそうだ。現在の上位モデル「Fitbit Sense」より進んだ機能を搭載し、さらに高機能化を目指すとみられている。セルラーのサポートや、Googleのアプリエコシステムが丸ごと追加される可能性がある。
だがFitbitの場合、Wear OS上のアプリには、機能が徐々に追加されていくことになりそうだ。2021年中は、「今日」というタブを介したアクティビティーのスナップショットが中心となり、あとはフィットネスの目標達成時に祝ってくれる機能やエクササイズモードが対象になる。心拍数や睡眠追跡の機能までには及ばない見込みなので、そうした機能が必要な場合は、Fitbitの既存のフィットネストラッカーを購入する必要がある。
Google FitとFitbitのヘルスプラットフォームも、まだ統合の予定はない。両方が別々のアプリとして存在することになっており、双方の間でデータをインポートしたり転送したりできるのかどうかも、まだ言及されていない。だがこれは、FitbitがGoogleのエコシステムで果たす役割を広げていくという変化の始まりのように思える。Fitbitの共同創業者Eric Friedman氏が、4月に示唆していたとおりだ。
Androidスマートフォンに対応するスマートウォッチを選ぶのは、これまで容易ではなかった。数年前、GoogleのWear OSはスマートウォッチの世界におけるAndroidになることを目指していた。だが実際には、サムスンのGalaxyスマートウォッチ、Fitbit、Garmin製のスマートウォッチといった複数のフィットネスウォッチがそれぞれ独自のOSとアプリを展開して断片化の一途をたどってきた。そうした状況が今、変わるかもしれない。
2014年、サムスンはGoogleと組んで、旧「Android Wear」をサムスンとして初めて搭載するスマートウォッチのモデルを発表した。それが「Gear Live」だった。だが、今回の新しい提携では、そのときより結び付きがもっと深いようで、しかもハードウェアに重点を置いているように見える。もしかするとこれが、実現しないまま長らく夢に終わってきた「Pixel」スマートウォッチに向けた次のステップになるのかもしれない。ある意味で、サムスンのGalaxyスマートウォッチは、次世代のPixelスマートウォッチのプラットフォームになろうとしているからだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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