予想されていたことが現実になった。GoogleがFitbitを21億ドルで買収することになったのだ。これが何を意味するのかは、自分の立場がどこにあるのかによって変わってくる。Fitbit関係者なのか。Google関係者なのか。それとも、Fitbitや「Wear OS」スマートウォッチのユーザーなのか。Googleのハードウェア責任者を務めるRick Osterloh氏は米国時間11月1日午前、このニュースが事実であることを認め、「Made by Google」のウェアラブル製品を視野に入れていることも自ら認めた。
「Fitbit Versa 2」は「Alexa」を搭載している。これに「Googleアシスタント」が加わったらどうなるだろうか
提供:Sarah Tew/CNET
発売されたばかりの「Fitbit Versa 2」を含む多数のFitbitスマートウォッチをレビューし、多くのWear OSスマートウォッチを装着してきた経験を持つ筆者は、今回の買収劇の今後の展開、そして、その理由について、いくつかの見解を持っている。
Googleの「Pixel」ウォッチが強力なフィットネスプラットフォームを得る
Osterloh氏がMade by Googleウェアラブルの登場を認めたのは、意外なことではない。これは、何年も前から予想されていたことだ。Googleがスマートホームの野望を達成するにあたってNestが果たした役割と同じように、Fitbitも、今後
Googleの一部となるスマートウォッチにとって、明快で堅実な既存のフィットネスプラットフォームを提供する役目を果たすのだろう。
それはPixelスマートウォッチではなく、単純にFitbitと呼ぶべきなのかもしれない。
Fitbitの技術が多くのスマートウォッチに搭載される
Fitbitの本質はデータだ。同社が長年収集してきた歩数や睡眠、体重、心拍数などに関するデータがデータベースを形成しており、それらのデータベースは洞察や人口統計学的な所見など、さまざまな情報を同社にもたらしている。
そのデータが今後はGoogleのものになる。それがどのように扱われるのかは、現時点では不明だが、データを収集するデバイスが多ければ多いほど、データの質は向上する。Fitbitは多数のフィットネストラッカーを提供しているが、Googleも多くのWear OSスマートウォッチを揃えており、それにはFossil Groupの多数のスマートウォッチも含まれる。
多くのWear OSスマートウォッチが登場してきた
提供:Josh Miller/CNET
これらすべてのスマートウォッチが「powered by Fitbit」をうたって、データを1つのデータベースに送るようになったらどうなるか想像してほしい。
Wear OSはブランド認知度が向上
GoogleはFossilのような従来の腕時計ブランドと提携することで、存在感を高めようとしたが、それは必ずしもWear OSの認知度向上にはつながっていない。Fossilは多くのスマートウォッチを製造しているが、その多くは普通の腕時計のような外観だ。
一方、Fitbitはよく知られたブランドだ。人々は「フィットネストラッカー」と言わずに「Fitbit」と言う。Fitbitは2019年、ウェアラブル企業の
トップ5に入った。Googleは今後もFitbitを製品名として使い続けて、Wear OSという名前を廃止した方がいいかもしれない。