Appleは世界開発者会議、WWDC 2020を、6月22日(米国時間)からオンラインで開催する。詳しい日程を、ウェブサイトで公開した。
例年、6月第1週に、米国カリフォルニア州サンノゼで開催されていたイベントで、1500ドルの入場チケットのための抽選が行われるのも恒例だった。しかし2020年は新型コロナウイルスの世界的な流行を理由に、早々とオンライン開催とした。
GoogleやFacebookも春から初夏にかけて開発者会議を開催してきたが、彼らは中止を決めていた。しかしAppleはイベントとして開催しようとしている理由は、その発表内容の重大さにあるかもしれない。
2020年のWWDCでは、MacのARMプラットホーム対応が発表されると目されているからだ。
これまでBloombergを中心として、2021年にARMベースの自社チップ、A14Xを搭載するMacを発売するという報道が行われてきた。またすでにiPadアプリとMacアプリを共通のコードから作り出すMac Catalystがリリースされている。
これまでAppleは、大きなプラットホーム変更を前に、アプリを開発する開発者に対して適切なタイミングで情報を提供してきた。主要アプリ、あるいは新しいアイデアを具現化するアプリを、新しいプラットホームの船出に揃えられるようにするためだ。
たとえばiPhoneは例年9月に発売されるが、新iPhone固有のハードウェアとAPIについて、WWDCで発表されることはない。開発者を通じて、容易にハードウェアを推測されてしまうため、サプライズが減ってしまう。もっとも、すぐにユーザー全員が買い換えるわけではないので、9月のiPhone発売時に新型固有のアプリがなくても大きな問題にはならない。
しかしAppleがWWDCでARM Mac対応を発表するのは、2021年にも登場するARM Macだけでない変革が起きる可能性を示唆するものだ。Intel Mac、ARM Mac、iPadの各プラットホームで動作するユニバーサルアプリのような存在が登場するかもしれない。
WWDCは本来ソフトウェアが主役のカンファレンスだ。そのため、ハードウェアが必ず登場するとは限らない。しかし2020年はどうやら、iMacが登場する可能性があるという。もちろんiMacがARMで登場するとは考えにくいが、Intelへスイッチする以前から現在のスタイルが続いているMacの原点ともいえるオールイン型デスクトップの新しいデザインとなると、注目度も高くなるだろう。
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