新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大を防ぐ目的で、ステイホームが呼びかけられたり、人と人の距離をとるソーシャルディスタンシングが実施されたりしている。そうした新しい生活様式の必要性は理解するが、友達と1つの画面に入って写す自撮りができなくなるのは寂しい。
これに対し、Appleは1人で撮影した自撮り画像を複数組み合わせ、一緒に撮影したように合成する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間6月2日に「GENERATING SYNTHETIC GROUP SELFIES」(特許番号「US 10,672,167 B2」)として登録された。出願日は2018年7月11日、公開日は2019年4月4日(公開特許番号「US 2019/0102924 A1」)。
この特許は、複数の人がそれぞれ1人だけで撮影した自撮り画像を合成し、まるで一緒に自撮りしたような画像へ加工する技術を説明したもの。この技術を利用すれば、社会的距離を確保するなど離れている友達とでも、同じ写真に入る自撮りが可能になる。
こうしたグループ自撮り画像を生成するには、まず、1人のユーザーが自撮り機能付きスマートフォンのようなデバイスから友人などへ招待通知を送る。そして、招待された友人たちがそれぞれ自撮りすると、招待を送ったユーザーのデバイスへ各画像が送られ、合成処理が実行される。
招待するデバイスと、招待されるデバイスの距離を何らかの方法で計測し、ある基準値より近い場合のみこのグループ自撮り機能を有効化する制御も可能だ。そうすれば、近くにいる友人に限定してグループ自撮り機能を起動できる。また、各デバイスで撮影された自撮り画像を保存しておくことで、合成をやり直したり、招待されたデバイスのユーザーがそれぞれの好みで合成したりする機能も考えられる。
この特許の適用される合成用自撮りデータには、写真のほか、保存しておいた撮影済みビデオや、ライブ撮影中のビデオも含まれる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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