6月1日〜6月7日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。AppleはTim Cook CEOによる従業員向けと同じメモを公開書簡としてウェブサイトに掲載し、人種差別に対しての立場を表明した。同時に、他のテクノロジー企業と同様に、人種差別の問題に取り組む団体への寄付と、従業員が寄付した場合その倍額を企業として寄付することを表明している。
Cook氏は、「多くの人が、差別から目をそらせば快適な以前の『正常』に戻ることを望んでいる」と指摘しており、その願望こそが「特権の証」であると批判した。
そして、丸腰の黒人男性、ジョージ・フロイドさんが白人警官に膝で首を押さえつけられて死亡した事件は、『正常』に戻るのではなく、平等と正義の最も高い理想を掲げる未来を築かなければならない「衝撃的で悲劇的な証拠」であると位置付けた。
現在米国では、今回の問題から目を背けること、また他の差別の問題と混ぜることが許されない雰囲気が醸成されており、2020年のジョージ・フロイド事件は「教科書に載る」と言われている。
Google、Facebookといった企業は自社メディアやロゴを黒く塗りつぶしてこの問題に対する批判を表明しており、Twitterはこの問題に関わるトランプ大統領の発言を「暴力を煽る不適切な投稿」と認定し、対立が深まっている。
そうした中、Appleの意見表明は遅れた。投資家からはトランプ大統領との関係を気にして、Appleの立場を表明できないでいる、との批判が上がり、企業価値を損なう行動をすべきではない、と指摘されていた。
しかしApple自身の意見表明は遅くなかったとの指摘もある。Apple MusicのTwitterアカウントは、YouTubeやTwitterのように、ロゴを黒く変えるなどの反応を示していたからだ。それでも、Appleとしての意見表明がさらに求められるほど、現在の米国では避けて通れない問題になっている。
米IT企業、人種差別と戦う団体への寄付を続々表明--黒人暴行死を受け(6/2) アップルのクックCEO、公開書簡でジョージ・フロイドさんと人種差別について綴る(6/5)6月3日から、日本国内にあるAppleの直営店は全店で再び営業を再開した。しかし以前のように気軽に立ち寄ることができるのではなく「予約」を前提としており、店内でも顧客同士が接近しないよう、1対1での対応となる。
また、入店前の体温チェックを行い、加えてマスク着用も義務付ける。マスクを持参していなかった場合は、Apple Storeからマスクを渡すことになっている。
店内では、無料の講座、Today at Appleも中止となっており、いくつかのプログラムがすでにオンラインで公開されている。
一方米国では、より広範の店舗で営業を再開していたが、ジョージ・フロイド氏の事件への抗議活動が全米で暴徒化する中、米国内の多くの店舗で一時休業となった。小売店の略奪や破壊行為の標的になっており、顧客と従業員の安全を確保するためとなっている。
ただし、抗議活動そのものは多くの都市で暴徒化せず、正常に行われている点も指摘すべきである。
Apple Store全店舗で営業再開--6月3日より客もスタッフもマスク着用で(6/1) アップル、全米各地の店舗を一時休業--警察に対する抗議活動の暴徒化で(6/2)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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