「CNET Japan」を運営する朝日インタラクティブは11月15日、第6回「CNET Japan CMO Award」の受賞者を発表した。
CNET Japan CMO Awardは、マーケティング戦略を経営に生かして実績をあげている企業に注目し、マーケティングに関する全社的な統括責任者であるCMO(Chief Marketing Officer)、またはマーケティング施策で中心となった人物を編集部が選出、表彰する。
受賞者とCNET Japanによる授賞ポイントは以下の通り。
アシックス 執行役員 マーケティング統括部・統括部長 ポール・マイルズ(Paul Miles)氏
企業哲学「健全な身体に健全な精神があれかし」と、そのビジョン「スポーツでつちかった知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する」を根源に、ワールドワイドで一気通貫のブランディング、メッセージングを顧客に合わせて提供するマーケティングを全社で実践している。また、世の中の社会トレンドとテクノロジの動向を注意深く追いながら、データ分析を徹底することを重視しつつ、オンライン、オフライン問わずにすべてのコンタクトポイントで顧客のインサイトを把握し、顧客体験を向上させるべく、常にPDCAを素早く回し、さらにパーソナライズな世界が来ることを想定し、プライベートDMPの本格活用に入っていること、そして具体的なプログラムとして「One ASICS」を実行し始めたことなどを評価した。
スマイルズ 取締役 兼 クリエイティブ本部 本部長 野崎亙氏
一般的にマーケティングでは「データドリブン」「オムニチャネル」「コンテンツ」などの施策がとられるが、「いわゆる一般的なマーケティングリサーチを行いません」と言い切り、顧客ひとりひとりの想いを深く理解する「n=1」という表現を使って"顧客と何らかの共感性を持つ"ことを重視した顧客志向を実践している。また、事業展開はロジックで考えず、発案者(自分)の熱量を何よりも重視し、そのブランドについてどこまで自分が話し尽くせるか、考え抜いてアウトプットしているかを大事にして情報を発信している。さらに、安易な広告はせず、「割引」なども行わずに、ひたすらに顧客の価値づくりを追い求める活動を展開。ある意味、マーケティングの常識を覆す精神論に聞こえるが、この活動が実際に収益につながっていることを評価した。
Z会 ICT事業部 マーケティング課 課長 野本竜哉氏
創業当初は"口コミ"による訴求が中心だったが、近年では様々なマーケティング活動を行っている。Z会が新しい教育に挑戦する上では、ICTを積極的に活用。幼児から小中高生、大学生、社会人まで、加えて学年を問わないオンライン講座など、それぞれの学習者=顧客や学習内容に合わせた教育サービスを提供している。また、学習者だけにとどまらず、その親も顧客ととらえ、サポートセンターに寄せられる意見やウェブ、アプリ、PC、モバイル、イベントなどの行動・利用方法などを徹底分析。そのうえで、従来通りの紙の資料、ウェブ、テレビCMなど、顧客の行動や認知に合わせて媒体を変えたプロモーション活動も積極的だ。最新技術も駆使したうえで、オンライン、オフライン問わずに顧客との関係性の向上や顧客の課題解決を目指すマーケティングを実践している点を評価した。
11月28日には、ベルサール神保町アネックスにて「CNET Japan CMO Award表彰式&CNET Japan Conference 2018:モバイル中心主義がビジネス成長の要--最新マーケティングトレンド」を開催し、受賞者によるパネルディスカッションや最新マーケティング動向の講演などを実施する。参加費は無料で、事前登録制だ。
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