配車サービスの新興企業Uberでは、男性ドライバーのほうが女性ドライバーよりも時間あたりの収入が多い傾向があるが、これは男性のほうがよりスピードを出すことが一因であるという。
これは、米国時間2月6日に発表された、Uberの性別による賃金差に関する調査の結論として挙げられている事項の1つだ。この調査は、Uberが、スタンフォード大学およびシカゴ大学でデータ分析を専門とする科学者と共同で実施した。それによると、米国でUberのドライバー100万人以上を分析したところ、男性ドライバーは女性ドライバーよりも収入が7%多いことがわかったという。
性別による賃金差は、多様性に関してテクノロジ業界の企業が直面している、数多くの問題の1つだ。こうした企業は女性やマイノリティーの扱いについて厳しい問いを突きつけられているほか、新規採用、人材の維持、昇進などの点でも、依然として問題を抱えているのが現状だ。
ただし、賃金の男女格差の問題に直面しているのは、テクノロジ業界だけではない。World Economic Forumのレポートによると、2017年の時点で、北米の女性の収入は男性を28%下回っていた。この数字は、西欧(25%)よりは大きいが、北アフリカおよび中東地域(40%弱)と比べるとはるかに小さい。
今回の調査では、男性ドライバーは女性と比べて運転スピードが速い、稼働時間が長い、より利益が多くなりそうな地域を選んで営業しているといった傾向があることが挙げられている。
また、「男性ドライバーは、1週間あたりの運転時間が多く、Uberのドライバーをやめる割合も低いといった理由から、女性ドライバーよりも多くの経験を積んでいる」としている。「こうした経験がもたらすメリット、さらにはUberでは一般に男性ドライバーのほうが女性ドライバーより経験を積んでおり、より習熟度が高くなっていることから、男性のほうが時間あたりの稼ぎが多くなっている」
この調査結果について、Uberでは同日のブログ記事で、「性別に左右されない」アルゴリズムを使っているにもかかわらず、このような結論が出たことは予想外だと述べた。
Uberはブログで、「賃金率を交渉したり、あるいは長時間の労働に対して報酬が多かったりということはなく、ほかの設定で男女間の賃金格差を生んできた要因もない」と述べている。「われわれの研究では、乗客によるドライバーの評価の平均とキャンセル率はいずれも性別間でほぼ同一であることも分かっており、アプリまたは乗客による明白な差別が、賃金の男女格差をもたらしていると示すものは見受けられない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス