有機ELのノウハウを積み上げてきたからこそ作れるテレビ/ソニー「ブラビア KJ-65A1」(4K有機ELテレビ) 2001年に13型、2007年に11型を発売したソニーは、有機ELのまさに開拓者。現在はパネルの自社開発こそやっていないが、ソニーならではのノウハウを蓄積しており、KJ-65A1はその映像のすごさが伝わってくる仕上がりだ。 2017年は各社から有機ELテレビが発売されたが、ソニーはその中でも一番のハイパワー。くっきりと鮮明で力感のあり、画の力強さが伝わってくる。さらに細部まできちんと再現されており、丁寧に作られていることがよくわかる。 有機ELパネルの現時点における問題点は黒の階調の再現力にあるが、それを徹底的に修正しているところも見事。パネルの特性を測り、カスタマイズして信号を与えるその調整は大変うまい。有機ELテレビを作り続けてきた経験が生きているといえるだろう。 さらに、画面自体を振動させて映像全体から音が出る「アコースティック サーフェス」も面白い試み。画面を振動させ、被写体の位置に合わせた音を再生できることが特徴だが、振動させるガラスは、剛性、内部損失、スピードのすべてが低く、スピーカユニットには最も向かない素材。 その難しい素材をここまで鳴らし込ませたのは、有機ガラス管を振動させ360度に音を響かせる「サウンティーナ NSA-PF1」で培った技術や、音の再現性を高める平面スピーカーの開発ノウハウがあってこそ。 実は、発売前に2度ほど試聴をしており、一度目はガラスっぽい音、二度目はすこしぼやっとした音になっていた。ところが実機ではびっくりするぐらいガラス感のないスピーカの音に変貌していた。特に素晴らしいのは、背面のスタンドにあるサブウーファとの音のつながりだ。 俳優の口からセリフが聞こえるのは、映画館では当たり前になっているが、テレビでは考えられなかったこと。それをとても自然に実現したこのスピーカシステムも高く評価したい。
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