マーケティング担当者がFacebookで反ユダヤ主義者だけにターゲット広告を配信できることを示す調査結果を、ProPublicaが米国時間9月14日に公表した。これを受けて、Facebookは広告ポリシーの見直しを進めている。
「ユダヤ人嫌い」「ユダヤ人を焼き殺す方法」「『ユダヤ人が世界を破滅させる理由』を示す歴史」という広告カテゴリに当てはまるFacebookユーザーにターゲット広告を配信することが可能になっていた。Facebookは今回の調査結果を受けて、これらのカテゴリを廃止したとしている。
Facebookの広告ソフトウェアはほぼ自動化されている。これらのカテゴリは、ユーザーが表明した関心や、Facebookがユーザーの関心について推論できることをもとに生成される。広告主はユーザーが自己申告した情報(例えば、学歴や勤務先)に基づいて、ターゲット広告を配信することができる。反ユダヤ主義的なカテゴリは、ユーザーが自分の研究分野に「ユダヤ人嫌い」といった文言を入力したために生成された。
ProPublicaによると、それらの広告カテゴリに当てはまるユーザーは人数が少ないので、広告を買う価値はないという。例えば、「ユダヤ人嫌い」カテゴリに当てはまるユーザーは2300人。Facebookの月間ユーザー数は20億人だ。
Facebookのプロダクトマネジメント担当ディレクターを務めるRob Leathern氏は、「われわれのコミュニティーの規範では、宗教など、守られるべき特徴を理由に人々を攻撃することは厳格に禁止されている。われわれは、広告主が宗教などの属性に基づいて人々を差別することを禁じている。しかし、われわれの規範に違反するコンテンツがプラットフォーム上に表示されてしまうこともある」と述べた。
「われわれは、まだまだやるべきことがあることを認識している。そして、こうした問題の再発を防ぐため、現在、製品とレビュープロセスに新たな対策を盛り込む作業に取り組んでいるところだ」(Leathern氏)
Facebookの意向に詳しいある人物によると、それらの対策には、フィールドが広告作成画面に表示される前に、これまでより綿密に調査することも含まれる可能性があるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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