「iPhone X」の登場によって、われわれは慣れ親しんだ「iPhone」のネーミングに別れを告げることになった。
AppleがホームボタンのないiPhone X(Xは「テン」と読む。「エックス」ではない)を発表したことは、iPhoneの命名規則が大きく変わる可能性を示す出来事でもある。われわれの側も、心の準備をしておいた方がいいのかもしれない。
命名規則についての話にもう少しお付き合い願いたい。
2016年には「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」が発表された。したがって、Appleが2009年の「iPhone 3GS」以来続けていた命名規則に従っていたなら、2017年には「iPhone 7S」と「iPhone 7S Plus」が登場するはずだった。Appleはこれまで、偶数年に大幅なアップグレードを実施する一方、奇数年にはマイナーなアップグレードにとどめ、機種名の末尾に「S」という文字をつけたモデルを発表していた。Appleがこのパターンを守り続けていれば、「iPhone 8」と「iPhone 8 Plus」がステージで紹介されるのは、2017年ではなく2018年になっていただろう。
だがiPhone Xが、こうしたパターンをすべてひっくり返してしまった。
iPhone Xは、2007年に初代iPhoneが登場してから10周年を記念する特別なバージョンのiPhoneだ。ホームボタンを廃止し、ロック解除に顔認証を採用するなど、端末の設計においては大胆な選択が行われた(一方、iPhone 8とiPhone 8 Plusには従来通りのホームボタンが残されている)。
だが、名前はどう付けるべきだったのだろうか。
Appleが最新のiPhoneをiPhone Xと名付けたことで、われわれは突如として後戻りできない地点に連れて来られることになった。iPhone 8とiPhone 8 Plusという名前はすでに使われた。「iPhone 9」という名前はもはや遅きに失した感がある。
では、この次はどうなるのだろうか。Appleが従来のパターンに戻るのは容易ではない。「10」(X)がすでに存在する中、今さら「iPhone 8S」やiPhone 9を買いたいと思う人はいないだろう。なんともややこしい話だ。また、Appleがまったく新しい命名規則を採用する可能性もある。
考えてみれば、Appleは「macOS」についても、「Mountain Lion」や「Yosemite」など、野生のネコ科動物の名前やカリフォルニア州にある景勝地の名前を用いてきた。だとすると、iPhoneに関してもAppleが2018年から同じようなパターンを採用する可能性もある(「iPhone Sequoia」もあり得るのだろうか?)。あるいは、こちらの方が可能性が高いかもしれないが、「iPad」と同じような道をたどり、次世代のiPhone端末については、シンプルに「iPhone」や「iPhone Plus」と呼ぶようになるのかもしれない(その場合は、外部の人間が「iPhone 2018年モデル」のような呼び名を付けるのだろう)。
正解がわかるまで、考える時間はまだ1年ある。次期モデルの名前をあれこれ推測してみてはいかがだろうか。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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