2020年東京オリンピック開催まで3年となり、スポンサー企業の関心も高まってきました。
アンルーリーでは過去三大会を振り返り、企業がどのように動画マーケティングで成功を収めてきたか、について分析しました。
私が日本代表を務める、動画アドテクノロジ企業のアンルーリーでは、2006年から動画広告の分析を行っております。具体的には、YouTubeやFacebook上の動画視聴再生数と、Facebookにおけるシェア数(シェア、いいね、コメントを含む)をトラッキングしています。
シェアする行為は、ウェブ上で把握できる消費者の態度変容と言えます。
アンルーリーでは、シェアはお金で買うことができないもので、消費者にどの動画が支持されているかを把握する数値、として有効だと考えています。
KPIとして、シェアだけに注目するわけではありませんが、消費者視点での動画コンテンツの人気や支持率を計る上でウォッチ、活用していくことをブランドマーケターの皆様に推奨しています。
さらに、アンルーリーでは動画シェア率という指標に注目しております。
動画シェア率とは、シェア÷視聴再生数で、お金で買うことでの出来ないシェアをいかに効率的に獲得できたかを示す、つまり、動画コンテンツの質を計る指標と考えています。
さて、2016年リオ大会ではChannel 4の“We're The Superhumans”キャンペーンがP&Gの“Thank You, Mom” シリーズから首位の座を奪い、全シェア数の40%という圧倒的な数字を出したことをご存知でしょうか?
その背景、トレンドと東京オリンピックで成功するポイントをご紹介していきます。
オリンピックの動画広告には共通して、「インスピレーション」、「誇り」、「驚き」の感情を訴求する傾向があり、また、消費者の感情反応は、通常の動画と比べ高い傾向があります。
米国では、オリンピック動画広告を視聴して「インスピレーション」を強く感じるのは視聴者全体の27%であるのに対し、通常の動画では14%。「誇り」を感じるのはオリンピック動画で16%に対し、通常の動画では7%。そして、驚きを感じるのはオリンピック動画で15%に対し、通常の動画で9%となっています。
Nikeは、2016年リオ大会の動画広告で人々を笑わせる試みで成功し、オリンピック広告の常識を打ち破りました。
オリンピック広告であまり活用されない「面白い」という感情をうまく活用した結果、2016年のオリンピック動画広告シェア数ベスト10に“Unlimited Youth”、(シェア数は18万7000)、“Unlimited You”、(シェア数は15万5000)、の2件がランクインしました。
追随する競合他社に対抗するには、トーナメントの行方に応じてコンテンツを作成する体制を整え、俊敏でフレキシブルに動くこと。
Adidasは2012年、開催国英国チームの勝利に乗じて、成功を収めたブランドです。
英国チームのメダル獲得を祝福した“Don’t Stop Me Now”は、大会当初の動画広告“Take The Stage”の3.5倍以上(18万4000対5万1000)ものシェア数を記録。
英国のメダリストが多数登場させ、勝利ムードを盛り上げる動画コンテンツを素早く制作し成功しました。
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