自社のブランドをオリンピックのどの部分に関連付けたいか(例:期待で盛り上がる大会開催前、試合展開で湧く開催中、勝利を祝う閉会式)を考え、それに基づいて配信戦略を立てること。
オリンピック広告で大きな成功を収めたP&GとChannel 4は全く違うアプローチをとりました。
P&Gは開催前から参加する戦略で、開催数ヶ月前に広告を投入。
2012年の“Best Job”キャンペーンでは、史上最大のシェア数250万を獲得しました。
開会式の数ヶ月前である4月に公開されたこの動画は、日次シェア数のピーク値37万6000を4月12日に記録しました。
一方、2016年リオ大会のシェア数一位に輝いたChannel 4の“We Are The Super humans”は、7月の大会開幕直前に公開。
パラリンピアンを祝福する世の中の動きに乗じる戦略を採り、同広告はパラリンピック開会の9月7日に日次シェア数のピーク値12万7000を記録しました。
シェア総数は150万で、オリンピック歴代の王者P&Gを上回る結果を収めました。
NikeとAdidasは共に、2012年ロンドン大会で他ブランドが活発でない時期に広告費を投入する戦略を実行。Nikeは“Best Job”を開会式の数日後に公開、英国チームの成功を祝福したAdidasは“Don’t Stop Me Now”は大会終了後に公開し、いずれもシェア数を伸ばしました。
社会問題をテーマにした動画広告は、オリンピック会期中にますます話題を集めるようになっています。
2014年ソチ冬季五輪のトップ1、2位の広告と、2016年大会の1位は、逆境に立ち向かうパラリンピアンの偉業を讃えました。
Channel 4の“We Are The Superhumans”はシェア数150万、P&Gの“Tough Love”はシェア数9万6000、Samsungの“What’s your problem?”はシェア数9万5000を記録しました。
また、ソチ冬季五輪では、政府が同性愛者の活動を規制する法律を施行し、抗議が広がりました。
この問題に広告で取り組んだブランドもあり、3件が2014年のシェア数トップ10にランクインしました。
Canadian Institute of Diversity and Inclusion(CIDI)の“Luge”、(シェア数31万2000)、Channel 4の“Gay Mountain”、(シェア数13万2000)、XXL All Sports Unitedの“XXL Airport Love”、(シェア数6万4000)です。
新しいトレンドや問題をテーマにする場合、ブランドにふさわしいかどうかが重要です。
社会問題の場合は、企業として問題に真に取り組んでいるかを伝え、消費者の信頼を得られることも大切です。
調査によると、世界の視聴者の72%は広告がそのブランドらしくない、偽物であると感じた場合に、ブランドへの信頼を失うと答えています(アンルーリー調べ)。
この記事はビデオリサーチインタラクティブのコラムからの転載です。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス