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「賢さ」を超えて--パーソナルアシスタントが「最も身近な存在」になるために

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 「音声UI+人工知能(AI)」という新しいコンピュータとの接し方についての話を前々回、前回と続けてきた。完結編となる今回は比較的先のこと、つまり各社が本格化させているAIの開発競争のさらに先にはいったいどんなものが待っているのか、といった点について考えてみる。

 本題に入る前に、「Siri」と「Google Assistant」の現状を比較した面白い動画がYouTubeで公開されていたので、まずはこの動画について簡単に紹介する。

Apple SiriとGoogle Assistant、現状の賢さはどんぐりの背比べ


 AppleのSiriとGoogle Assistantとの現状を比べたこの動画を見て、どんな感想を抱くかは人それぞれだろう。どちらにも得手不得手があり、反応のスピードにもさほど大きな開きはないと私は感じる。ホストのMarques Brownlee氏は終わりの部分で「Google Assistantのほうが若干対話が上手(音声で答えを返すケースが多い)」などとコメントしている。

 またたとえばBarak Obama大統領の身長に関する質問や、デンバー・ブロンコス(NFLのチーム)のクォーターバックの名前を訊ねた質問への答え方などから、著名ライターJohn Gruber氏の「Siriは前のやりとりを受けて次の質問に答えることが苦手」という指摘の意味もうかがい知れる。

 Steven Levy氏によると、AppleがSiriをAIベースのものに切り替えたのは2014年の7月末。この2年余りの間にSiriがここまで賢くなったと思うか、逆にまだこの程度かと思うかも、人によって意見の分かれるところかもしれない。

 いずれにせよ、比較的簡単な特定のタスクなら問題なく処理できる程度の両者の現状と、トヨタ「KIROBO mini」のコンセプト動画に見られるロボットの対応との間にかなり大きな隔たりがあるのはほぼ間違いない(もっとも、例えばカレンダーに「面接」と記入しておいたら、SiriやGoogle Assistantが「面接といえば笑顔が大事」と声をかけてくれるようになるのは時間の問題かもしれないが)。


 なお、冒頭のビデオに登場するMarques Brownlee氏は高校生の頃からYouTubeでITガジェットなどのレビュー動画を公開してきている筋金入りのYouTuber。The Ringer(HBOがスポンサーの有名ブログ)には「YouTubeのテックレビューに革命を起こした少年(The Kid Who Revolutionized YouTube's Tech Reviews)」という見出しで、Brownlee氏に焦点を当てた記事が出ているが、それによるとYouTubeチャネル登録者が約360万人で、累計の動画再生回数はすでに4億5300万回に上っているという(数字はいずれも記事公開の8月下旬時点)。

 前回の記事で触れたWalt Mossberg氏が、1990~2000年代(パソコン~スマホ時代)のオピニオンリーダーだとすれば、すでにAppleやGoogleから製品発表の場にも呼ばれるようになっているBrownlee氏は、2010年代(スマホ~ポスト・スマホ時代)時代のオピニオンリーダーといったところかもしれない。

「最も身近な存在」になったスマートフォンの弊害

 ところで、「子供のタブレットPC利用、禁止するのが最善(Banning Tablets Is Best for Children)」という見出しのコラムが10月下旬にWSJに掲載されていた(筆者は今回もIT系コラムニストのChristopher Mims氏)。その冒頭には下記の一節がある。

 筆者宅でタブレット型端末の平日利用を禁止し、週末も利用時間を制限したところ、6歳と4歳の子供たちに興味深い変化が見られた。怒りっぽかった2人は笑顔が増え、まわりの出来事に反応するようになり、より想像力を使う遊びを楽しむようにもなった。おもちゃを使って再び遊ぶようになり、外出時に駄々をこねることが減り、自分の感情をよりコントロールできるようになったようにも思える。

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