(編集部注:Googleの最高経営責任者(CEO)Sundar Pichai氏のインタビューを前編と後編に分けて公開します。前編は5月23日に公開されています)
前編より続く。
メッセージングアプリAlloも、AI技術を利用する機能だ。「Facebook Messenger」「Snapchat」「Kik」など、すでに他社製品がしのぎを削っている次世代チャットサービスに参入することになる。
Alloで友人とチャットしていると(Alloはスマートフォンの連絡先リストを探して話し相手を選び出す)、自動的に「Smart Replies」がお薦めされる。友人からディナーの誘いがあると、たとえば「What time?」(何時?)という返答が提案される。Alloを使い込むほど、Smart Repliesの提案内容がユーザーの言葉に似てくる。したがって、お気に入りの絵文字があれば、それも提案されるようになるはずだ。
Facebookは「M」と呼ばれるチャットボットアシスタントをテストしているが、Alloでも同様に、Googleの仮想アシスタントが前面に打ち出されることになるだろう。両者には大きい違いがいくつかある。FacebookのMは現在、カリフォルニア州で「数千人」によってテストが進められており、人間のチームによって管理されている。複雑すぎてボットが対応できない処理には、その人間のチームが介入してくる。たとえば、オンラインの注文システムがないレストランで料理を注文するといった処理だ。一方、Alloに搭載されるアシスタントは、完全にマシンのみで運用され、誰でもオープンに利用できる。
Pichai氏によると、コンピューティングの課題が非常に困難であるため、こうしたAIの取り組みは長期にわたるプロセスの第一段階にすぎないという。プライバシーの問題もはかりにかける必要があり、また、このように人の心を読む技術になると、文化面や社会面での影響に関する疑問にも答えなければならない。
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