Pichai氏は今、いくつもの前線で闘いを抱えている。欧州連合の規制当局は、Googleが優位な立場を利用して競合他社を押さえつけていると主張している。これについて尋ねると、Googleは同社の法律顧問であるKent Walker氏のブログ記事を見てほしいと言う。Googleは「こうした懸念を真摯に受け止めている」という文面だが、同社のモデルによって携帯電話メーカーのコストが低く抑えられているとの考えも記されている。
また、競合企業による包囲網もある。米国防高等研究計画局(DARPA)の元長官で、GoogleではAdvanced Technology and Projects(ATAP)の責任者を務めていたRegina Dugan氏は、4月にGoogleからFacebookに移り、Mark Zuckerberg氏のもとで実験的なハードウェアを開発するという同様のプロジェクトを率いている。
Pichai氏によれば、ATAPは存続しており、積極的に活動しているという。同グループのプロジェクトはすべて、「Project Ara」も含めて継続中だ。ファンに好まれるProject Araは、ユーザーがコンポーネントをLEGOのようにつなぎ合わせてスマートフォンを組み立てられるというもの。ATAPは先週、Google I/Oでセッションを設けて、他のニュースを共有した。
同氏はこうした外的要因に対処する一方で、Googleの方針を「モバイルファースト」から「AIファースト」へ転換することにも力を入れている。つまり、同社運営の根幹にあるGoogle.comを変えるということだ。
Googleのホームページは、Alphabetの売上高740億ドルの大半を占めるドル箱であり、これがどうにかなるということではない。少なくとも、今すぐ何かが変わるわけではないだろう。だが、Google.comは今よりもっとパーソナライズされると見ていい。変化の兆候は早くも表れている。長年にわたってGoogleの検索部門の責任者だったAmit Singhal氏が2月に辞職し、AI部門のトップであるJohn Giannandrea氏がその後任に就いたことだ。
考えてみてほしいことがある。Googleで「Sundar Pichai」を検索して表示される結果は、Pichai氏のWikipediaの項目、Twitterフィード(@sundarpichai)、同氏に関する最近のニュースだ。そこで、普通のGoogle検索ではすぐにわかりそうにない点を、同氏に質問してみた。
計画どおりに物事が進み、アシスタントがGoogleの期待するとおり真に「アシスティブ」(Pichai氏談)になれば、そう遠くない将来、Googleはこういった質問にも答えられるようになるかもしれない。同氏の思い描くAIファーストの世界で、「Sundar Pichai」とGoogle検索したら、どんな結果が返ってくるのだろうか。
Pichai氏は少年のような笑顔でこう言った。「それは誰が検索するかによって違うだろう」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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