5Gは本質的に新型スマートフォンやウェアラブルテクノロジ、VRヘッドセットほど華やかなものに聞こえないかもしれないが、さまざまな業界、特にモノのインターネット(Internet of Things:IoT)の潜在的可能性を活かすことに強い関心を持つ業界に多くの可能性を与えることができる、とKruse氏は考える。しかし、5Gの恩恵を受けるのは業界だけではない。消費者も5Gの利点を享受することができる。
Kruse氏は、「もちろん、(5Gは)あらゆるメディア企業にとって福音である。なぜなら、4K、さらには8Kの動画を転送できる能力を一瞬にして得られるからだ」と説明し、「それは、あらゆる業界で革新的なソリューションの実現を可能にする」と付け加えた。
ただし、同氏は、早ければMWCの開催中にでも業界が団結して、周波数等に関する法的基準を主張した方がいいかもしれない、と警告する。スマートフォンメーカーは同テクノロジを利用できる時期が遅くなるくらいなら、自分たちだけで進めてしまった方がいいと考えるからだという。
「全体的に、スマートフォンメーカー各社は5Gに向けた準備を進めていると思う。なぜなら、5Gに類似したサービスをオリンピックなどでユーザーに提供するため、たとえ法的に標準化されていなくても、そうしたサービスがいくつか発表される可能性があるからだ」(Kruse氏)
したがって、5Gの「誕生」はMWCで大きな話題になるかもしれない。
5Gテクノロジを活用する最初の企業になりたいという願いは、IoTとも密接に関連する。IoTについては、IntelやDell、IBMといった業界の老舗大手企業の一部もそれだけをテーマにしたカンファレンスの開催を予定している。確かに、コネクテッドワールドという概念は、「モバイルがすべて」というMWCのスローガンとも相性がいい。
実際に、ForresterのアナリストであるThomas Husson氏が示唆するように、MWCは(ある程度はCESも)ますますテクノロジの革新とIoTを中心に回るようになってきている。GartnerのRoberta Cozza氏も同じ考えだ。
「IoTエコシステムへの取り組みが加速していることは間違いない。IoTでできることの可能性、そして、冷蔵庫からウェアラブルまで、IoTの恩恵を享受できるすべての端末についての話も、より具体的なものになってきている」(Cozza氏)
その結果、より多くの企業(従来の優良ベンダーと、サムスン、LGといったモバイル業界でおなじみの企業の両方を含む)がIoTハブの可能性を推し進めるかもしれない。そうなれば、MWCで「コネクテッドホーム」の存在感が増すだろう。
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