人権擁護団体Amnesty Internationalによると、Apple、サムスン、ソニーなどの企業は、製品に使用される鉱物の採掘における児童就労を排除できていないという。
社会の不正に対する取り組みに注力するAmnestyは米国時間1月19日、アフリカのコンゴ民主共和国では7歳の児童が鉱山で働いていると報告した。児童らが採掘しているコバルトは、スマートフォンなどの機器に搭載されるリチウムイオン電池の重要な材料となる。
Amnestyでビジネスと人権について調査しているMark Dummett氏は、報道発表で次のように述べた。「大勢の人々がさまざまな新技術の恩恵を享受しているが、それらがどうやって作られているかを尋ねることはめったにない。大手ブランドは、収益性の高い製品の原材料の採掘に責任を負うべき時期を迎えている」。報告書の中で非難されている企業には、Microsoft、LG Chem(LG化学)、Huawei(ファーウェイ)、Dell、HP、ZTE、Vodafone、Daimlerも含まれている。
Apple、サムスン、ソニーの3社は、児童就労に対して一切容認しないゼロトレランス方針を採り、供給業者に対して厳しいチェックを頻繁に実施していると述べた。
世界の電子機器市場における激しい競争を受け、大手各社は各国の製造業者、部品、原材料に依存している。だが、Amnesty Internationalの報告は、劣悪な慣行の排除を目指す大手各社の取り組みがまだまったく不十分であることを示唆している。1990年代にNikeが児童就労問題から学んだように、こうした非難は有名企業にダメージを与えかねない。Appleは過去に、中国にあるFoxconnの「iPhone」製造工場について、劣悪な労働環境を非難されたことがある。突き詰めれば、サプライチェーンのどの部分も監視を免れない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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