Appleとサムスンの間で進行中の特許侵害訴訟に関して、このほど複数の法律専門家、非営利団体、テクノロジ企業がサムスンを支持し、米連邦最高裁判所に訴訟の見直しを求めるアミカス(法廷助言者)意見書を提出した。彼らは最高裁に対して、意匠の定義をより明確にし、裁判所が命じる損害賠償額に制限を設けることを要求している。さらには、このApple対サムスンの訴訟をきっかけに、米連邦政府が特許法の改革に動き、いわゆるパテントトロールが知的財産権を金儲けに利用するのを防ぐことを期待している。
「これはきわめて重要な問題であり、(中略)われわれの多くの顧客にとって大きな意味を持つ」と、電化製品のオンライン小売企業Neweggの最高法務責任者(CLO)を務めるLee Cheng氏は、インタビューで述べている。同社はDell、eBay、Facebook、Google、Hewlett Packard Enterprise、HP、VIZIO、およびソフトウェアメーカーのPegasystemsとともに、米国が特許法を改革しなければ、究極的には消費者の選択肢が減り、コスト負担が増えることになるという内容の意見書を提出した。
「われわれは特許制度を非常に強く支持している。とはいえ、それが濫用された例は途方もない数にのぼる」と、Cheng氏は述べた。
サムスンは2015年12月半ば、同社とAppleの間で進行中の特許侵害訴訟で下された判決の見直しを求めて、米連邦最高裁判所に上訴している。2012年に結審したこの訴訟は、一部の人気スマートフォンの意匠を争点としたもので、最終的にサムスンは、5億4800万ドルの損害賠償をAppleに支払うよう命じられた。
最高裁に提出された、サムスンを支持する意見書は計6通にのぼる。Neweggとシリコンバレーの最大手テクノロジ企業数社に加えて、スタンフォード大学とジョージタウン大学の法学教授、Public Knowledgeや電子フロンティア財団(EFF)のような非営利のデジタル著作権関連団体、およびコンピュータ情報産業協会(CCIA)、ヒスパニックリーダーシップ基金、全国黒人商工会議所といった権利擁護団体などがサムスンを支持している。
Public KnowledgeとEFFが提出した意見書には、米連邦巡回控訴裁判所による特許法の解釈は「特許制度ならびにイノベーション全般に大きな弊害をもたらす。裁判所が命じる損害賠償額が、特許の価値と大きくかけ離れたものになる可能性があるからだ」と記されている。この2つの非営利団体は、それぞれインターネットの開放性とデジタル世界における消費者保護を主な活動目的としている。
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