サイバーエージェントが8月10日に発表した「国内動画メディアの接触率調査」の結果によれば、10代男女のスマートフォン動画の接触率が、テレビの接触率と拮抗(きっこう)する状況になっているという。
調査は6月9日から6月11日にかけて、全国の15~69歳のインターネットユーザー男女3万人を対象に実施。テレビ、PC、スマートフォンの3種類のデバイスで視聴できる動画メディアの3カ月あたりの平均視聴頻度を調べたところ、年代や性別ごとの特徴が出た。
調査結果によれば、10~20代の6割以上が週1回以上、PCやスマートフォンでオンライン動画を視聴している。なかでも、10代のスマートフォンからのオンライン動画接触率は80%で、テレビ接触率の85%とほぼ同率を記録した。
10~30代のそれぞれ半数以上がPCで動画を視聴。10代が3つのデバイスの中でPCからの接触率が最も低かったことに対して、20代以降の全世代は、スマートフォンよりもPCからの接触率が高い結果が出た。
なお、テレビの接触率は世代が若いほど低く、逆にPCとスマートフォンを通じた動画メディアの接触率は世代が若いほど高くなっている。
PCでは「YouTube」の接触率が各世代で最も高く、特に男性若年層は約7割を占めている。「ニコニコ動画」は男性若年層の含有率が高く、10~20代男性の3人に1人が接触している一方、女性の接触率は2割に満たない結果となった。また、女性若年層は、ソーシャルメディア経由でのオンライン動画接触率が他世代よりも高いという。
スマートフォンでもYouTubeの接触率は各世代で最も高く、特に10代男女は7割に近い。またPCと同様に、ニコニコ動画は男性若年層の接触率が高く、ソーシャルメディアは女性若年層の接触率が高い。
10代女性は、LINEでスタンプの購入などに使える仮想通貨「LINEコイン」を獲得できる「LINE フリーコイン」の接触率の高さが際立つ。10~20代男女が10%前後のところ、10代女性は30%を超える結果となっている。
この調査結果を受けてサイバーエージェントでは、10代のスマートフォンからのオンライン動画接触率は、企業の動画広告への予算配分に変化をもたらす可能性があるとし、10代をメインターゲットとする商材はスマートフォン動画広告へのシフトが進むと見ている。
また、20代以降の世代でスマートフォンよりもPCの接触率が高い傾向があり、20~40代の約半数がPCでオンライン動画を視聴していることから、「ターゲット層が明確な商材はマス広告の規模で広告配信を検討すべき時代が近づいている」と考察。「効果効率を追求すべきフェースにいよいよ差し掛かってきている」と見解を述べている。
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