自社が取り扱う商品を強く支持してくれる人々のコミュニティがあるECサイトは強い。たとえば、レギンスを販売するECサイトを運営するブランド「Black Milk」は、Facebookをフル活用することでそのコミュニティを形成することに成功したもののひとつだ。コミュニティを形成する上で、ソーシャルメディアは大きなポジションを占めるツールとなった。
今回はそれと同じく、ソーシャルメディアを用いて商品を支持してくれるコミュニティを構築し、成功に至ったサイト「Dolls Kill」を紹介したい。Black Milkと異なり、自社が製造した商品は取り扱っていないが、ゴスロリ的な要素などを備えたインパクトの強い女性用の服をセレクトして販売しており、その際立った個性から人気を得ているファッションのECサイトだ。
同サイトはInstagramやFacebookで、自サイトで販売している衣服を着用した写真の投稿を顧客に呼び掛け、その中から良いものを選んで表彰したり、モデルに起用したりして、より深く、より多くのファンを獲得することに成功している点でも注目を浴びている。
Dolls Killは2011年に米国サンフランシスコで設立。2014年度の売上は760万ドル(約9億1000万円)で、2014年8月に500万ドル(約6億円)の投資を受けた。またInstagramで56万フォロワー、Facebookで54万件もの「いいね!」を獲得している。
Dolls Killでは創業者が自らセレクションしたパンクロックやゴスロリ、グラムなどのジャンルに属する、個性的な服やアクセサリなどを販売している。ほかではめったに手に入らない品物が多いが、シャツであれば35ドルほどと値段もリーズナブルな商品が多いようだ。
同サイトのファッションのスタイルは4種類に大別することができる。ガーリーでかわいらしさを強調した「Coco」、暗く神秘的な雰囲気を漂わせたゴシック系統の「Mercy」、フェスティバルやパーティなどにふさわしい華やかかつヴィンテージなイメージの「Willow」、クールでパンクロックなイメージの「Darby」だ。
利用者はこの4つのスタイル別に商品を選んでもよいし、トップスやボトムス、シューズやアクセサリなどのカテゴリ別、コレクションごとに衣装をまとめた「LOOKZ」から好きなものを選んでもよい。
販売しているアイテムはトップスやボトムス、ドレス、水着、ランジェリー、バッグ、ベルト、帽子、ジュエリー、靴、タイツ、ソックスなど多岐にわたる。その独特のセンスから熱狂的なファンを抱えており、人気は米国内にとどまらず、海外にも波及している。現在では顧客の40%以上が米国外に住んでいるそうだ。
Dolls Killはどのようにして個性的なブランドを構築していったのか、またどのようにして顧客を引きつけているのか。ブランディングの過程を詳しく見てみよう。
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