「EC売上アップ」のコツ

真の顧客をブランド構築に巻き込むファッションEC「Dolls Kill」の手法 - (page 2)

尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)2015年07月28日 08時00分

転売経験とDJ経験から浮かび上がったサイト構想

 Dolls Killはサウジ・リン氏とボビー・ファラッヒー氏というカップル(現在は夫婦)によって創業された。


サウジ・リン氏(左)、ボビー・ファラッヒー氏

 ファラッヒー氏は1997年にMultivisionというテレビ放送のモニタリングサービスを提供する会社を設立したが、2005年には会社を売却して次にチャレンジすることを探していた。ちょうどそのとき、とあるパーティーにてEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)のDJとして活躍するリン氏との出逢いを果たす。

 この頃のリン氏はDJとして米国中を旅していた。ところがDJだけでは充分な稼ぎが得られなかったため、ファッションセンスを生かして服を転売することで生活費をまかなっていたという。

 ファラッヒー氏は彼女の転売の仕方を知って、「どうすればそんなことができるんだ?」と驚いた。彼女はeBayで5ドルのアイテムを買って、その品を100ドルで転売する、というような離れ業をやってのけていたのだ。このことを知って以来、ファラッヒー氏はリン氏のビジネスの手腕に興味を抱くようになった。

 リン氏の強みは「目利きの良さ」にあった。DJをやっているときにも「その服どこで買ったの? 教えて!」と観客からさかんに言われるなど人を引きつけるアイテムを探り当てる能力があり、なかなか人目に触れない、良さそうなアイテムを発掘しては、それを転売することで利益を得ていたという。

 こうしたリン氏のセンスに惚れ込んだファラッヒー氏は、一緒にオンラインストアを始めることを持ちかけた。リン氏もこの申し出を受け入れ、まずはキツネのしっぽのキーチェーンをアジアの工場に依頼して製造してもらい、2人の住むアパートを在庫の保管場所にして商品を売り始める。

 この商品が人気を得ると、現在のような「これまでのありきたりのサイトでは扱っていないような」センス溢れる衣服を手掛けるようになった。なお衣服のほとんどはリン氏が調達し、ファラッヒー氏はサイトの管理などをしているとのことだ。

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