プロジェクターメーカーJMGOのフラッグシップモデル「JMGO N1S Ultimate 4K」は、N1シリーズの3機種目で、映像品質に敏感な人ならすぐ気づくであろう改良点をいくつも備えている。
価格は税込39万7980円だが、現在はAmazonとJmgoのサイトで2割引きの税込31万8384円で入手できる。ホームシアター用に新たに購入を検討するとして、N1S Ultimateは同価格帯のテレビと比べてどうだろうか。
もちろん、プロジェクターとテレビは本質的にカテゴリが異なる(その差は縮まりつつあるが)。ただし大画面を望むなら、N1Sは設置スペースさえ確保できれば、画面サイズを大幅に拡大しながら極めて高品質な映像を楽しませてくれる。
もし今すぐ購入するとして、およそ40万円で何が手に入るだろうか。思い浮かぶトップクラスのテレビは、どちらも大手企業が手がける75インチモデル、サムスン「QN90D」とソニー「BRAVIA 7」(Mini LEDバックライト搭載)だ。
どちらのテレビも優れたディスプレイを備え、特性上、多くのプロジェクターより映像品質で優れている。それでも、N1S Ultimateは投影サイズを最大180インチまで拡大でき、その映像は驚くほど美しい。
「JMGO N1S Ultimate 4K」(Amazonで7月14日まで20%オフ)
N1Sは3300ISOルーメンの輝度を備え、1600:1の静的コントラスト比とBT.2020カバー率110%を実現している。私は鳥やサンゴ礁、ジャングルの大型ネコ科動物のUHD映像を試し、その鮮やかな色彩とディテールに感嘆した。4Kコンテンツでは、150インチで投影して4m余り離れていても、羽根、鱗、毛の一本一本を判別できた。
N1Sの輝度は周囲の照明に応じて自動調整されるが、他の多くのプロジェクターと同様、暗い部屋で使用すると最良の結果が得られる。ラボの視聴エリアで天井LEDの明るさを変えて実験したところ、環境光の影響はほとんど感じられなかった。
低照度環境では暗いシーンでも深い黒と豊かな陰影が表れ、OLEDほどではないにせよ十分に説得力があった。テストルームのドアを閉めて外からの光を遮るだけで、投写画面の縁が一層くっきりと見えるようになった。
1998年公開の映画「ラッシュアワー」を視聴しても美しい映像を楽しめた。ぼやけや光輪が気になったのはメニュー画面などのテキスト(特に白字)の周囲だけだった。
また高解像度CMOSカメラを搭載しており、自動障害物回避や視力保護機能などにより、レンズの前を横切ったときに強い光を浴びるのを防いでくれる。壁色自動適応機能も備えており、地下室やリビングなど既存の視聴空間で重宝しそうだ。
箱から出してまもなく、私はN1Sがフォーカスと台形補正を自動ですぐに完了したことに驚いた。多数のToFセンサーとJMGO独自の「Microstructure Adaptive Laser Control(MALC)」、三色レーザー光学系のおかげだ。これほど即座に高品質な映像を出力するプロジェクターを、私は見たことがない。
「MediaTek MT9629」プロセッサー、2GBのRAM、32GBのストレージを搭載しているため、読み込みも高速だ。高度なToFセンサーにより、Blu-ray 3D映像の視聴も可能だ。
距離が約1.5〜約4.9mの範囲なら、スクリーン面に対して左右どこに置いても、N1Sは投影可能なスペースに合わせて即座に完璧な16:9のフレームを表示した。
画像フレームのゆがみは見当たらず、良い映像を得るために設定をいじる必要もなかった。単に向きを合わせるだけで済むのは、N1Sがプレミアム価格帯に属する理由の1つだ。なお、N1S UltimateはUSTプロジェクターではない。スクリーンまたは壁との距離は最低でも約1.5m、最大で約4.9m必要だが、その場合は180インチまで投写できる。
N1Sは重量感があるが持ち運びやすく、見た目も良い。私がレビューした中で最も美しいプロジェクターだと断言できる。濃淡グレーのツートーンと洗練されたシンプルなデザインは、現代的なインテリアに違和感なく溶け込む。ジンバル構造により、箱から出してすぐ最適な角度を見つけられる。
JMGO N1S Ultimateのベースヒンジは垂直方向に135度回転し、底部のターンテーブルで水平方向も調整できるため、スタンドに固定する場合でも位置合わせが簡単だ。もっとも固定は必須ではなく、私は普通のテーブルに置いて問題なく使用できた。私のテストでは天井に投影することもできた。ただし、天井が吹き付けや櫛目仕上げの場合は、違う結果になるかもしれない。
テストではWi-Fi 6で「YouTube」「Amazon Prime Video」「Netflix」(これらはリモコンに組み込まれている)を視聴した。「Google TV」との連携により、多数のアプリに素早くアクセスできる。リモコンを紛失しても、JMGOが無料で提供する「Android」「iOS」向けアプリで代用できる。
前述の通り、150インチで投影した映像は印象的だった。特に暗室では色彩も輝度もコントラストも申し分ない。ただしサウンド面では、Dolby AudioとDTSに対応した10W×2のスピーカーは価格帯を考えると十分とは言い難い。音量が足りないわけではなく、明瞭さが問題だ。
例えばはるかに安価な「Yaber T2 Plus」は大音量でもクリアだが、N1Sでは一部で歪みが生じた。最大音量ではややこもって広がりのない、いわば「ぎりぎり不快な」音になる。ただし音量は十分だ。外付けスピーカーやサウンドバーを追加すれば、大幅に改善するのは間違いない。
幸い、N1S Ultimate背面にはそのためのHDMI 2.1(eARC)端子が用意されている。さらにもう1つのHDMI 2.1、USB 2.0、3.5mmジャックもあり、周辺機器やゲームのニーズを概ね満たしている。
「金のなる木はない」と両親に言われて育ったので、私はどの製品についても常に投資収益率(ROI)を気にしている。特に他の人に勧める物ならなおさらだ。
壁面やスクリーンスペースを最大限に活用できるなら、JMGO N1S Ultimateはその価格に見合う価値がある。3色レーザーの投影はタイムラグがなく、細部まで鮮明で、精細な色と卓越した明るさを実現している。価格が下がっている今のうちに購入を検討することをおすすめする。
「JMGO N1S Ultimate 4K」(Amazonで7月14日まで20%オフ)
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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