EC支援のネットコンシェルジェが新事業のショッピングSNS「#Cart(カート)」の本格展開に乗り出す。4月27日、アーキタイプベンチャーズなどから総額約2億円を調達したと発表。新事業のマーケティング強化や人材拡充の費用に充てるという。
ネットコンシェルジェは2003年設立。これまでに150を超えるECサイトのブランディングやマーケティングを支援してきた。同社代表取締役社長兼CEOの尼口友厚氏によれば、支援を通じて「集客」がECサイト全体の課題であると実感したため、2015年2月にメディア事業へと業態を変更したという。
「地方でECのセミナーを開いてきたが、ネットの知識があまりない人が多かった。ネットショップを作ってSEO対策まではしていても、その後マーケティングができていないという課題がある」(尼口氏)。#Cartでは海外展開(越境ECの支援)を視野に入れて、ECサイトと消費者のタッチポイントの創出を目指す。
#Cartは、これまで「People & Store(ピープル&ストア)」の名称で試験運用されていた。人気アパレルブランドや百貨店、地方のスイーツ販売店など2000を超えるネットショップが参加し、商品の情報を発信している。ユーザーは会員登録をすることで、自分に合った情報を受け取れる。お気に入りの店を「フォロー」をすると、その店の全ての情報を受け取れるようになる。
大きな特徴は、紗栄子さんや高垣麗子さん、滝沢眞規子さんなど100人以上のタレントやアーティスト、クリエイターが「公式ユーザー」として参加していることだ。フォローすることで、彼らがおすすめする商品の情報も受け取れる。登録店舗側は公式ユーザーに取り上げてもらえるよう、メッセージでアプローチできる。公式ユーザーはメッセージを閲覧することでインセンティブを得られ、気に入った商品のみをクリップして一般ユーザーに発信できる。なお、クリップによるインセンティブはない。
ユーザーは#Cartを経由して各ネットショップで商品を購入すると、専用ポイントを獲得できる。貯まったポイントは商品券などと交換ができる。各ネットショップのポイントも同時に貯まるため、お得にネットショッピングができるようになる。
店舗側には月額980円などの有料プランと無料プランを用意。商品販売時に一定の売上手数料を差し引く。
「現状、ECサイトを展開するとしたら大手は楽天。楽天には楽天の良さがあるが、そのほかに無料のサービスがあるとECサイトのマーケティングは加速する。楽天の胸を借りるつもりで、打倒楽天を掲げたい」(尼口氏)。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス