ChatGPTを生み出したOpenAIがブラウザ開発に乗り出せば、Google Chromeとの真っ向勝負は避けられない──。
OpenAIは、AIを搭載したウェブブラウザの開発を進めており、数週間以内に発表される可能性があると、ロイターが水曜日に報じた。
これは、「ChatGPT」を生み出したOpenAIが、ついにGoogleの支配する領域に立ち入ることを意味する。Statistaによると、Google Chromeは世界で最も人気のあるウェブブラウザであり、世界市場の68%のシェアを占めている。
一方、Google自身も生成AI技術「Gemini」を投入し、検索をはじめさまざまな自社サービスに統合することで、ウェブ体験を進化させてきた。
過去2年間、生成AIの登場によってウェブのあり方そのものが変化しているが、OpenAIが新たなブラウザを投入すれば、この変化のスピードはさらに加速することになるだろう。また、OpenAIとしても、ブラウザを通じてユーザーのデータに直接触れられるメリットを手にすることになる。
OpenAIは今回の報道に関してコメントを控えている。
GoogleがChromeを通じて得ているユーザー行動のデータは、利用者の嗜好を理解する上で重要な役割を果たしており、Googleはこれを広告事業の成長に活用してきた。さらに、Chromeの標準検索エンジンがGoogle検索であることも、同社が市場の覇権を維持する上で大きな力となっている。
Firefox、Opera、Braveなど、プライバシー保護を前面に押し出すブラウザは、トラッキング防止機能やVPN内蔵、広告ブロック機能などでユーザーを惹きつけようとしてきたが、いずれも市場シェアは低迷し、数パーセントにとどまっている。
ChromeがGmailやGoogleドライブ、AndroidなどGoogleの多彩なサービス群と密接に結びつき、Androidスマートフォンの標準ブラウザとしての地位も占めているため、競合ブラウザがシェアを伸ばすのは容易ではないのが現状だ。
一方、米司法省は、Googleが検索エンジン市場で不当に独占的な地位を築いているとの裁判所の判断を受けて、Chromeの強制売却を要求している。OpenAI、Perplexity AI、Yahooは、いずれもChromeの買収に関心を示していた。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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