APACスマホ広告市場が急拡大、前年比256%--2014年の主要国・地域調査 - (page 3)

 東南アジア市場・インド市場は、若年層を中心に形成される膨大な人口と、高度経済成長への期待を背景に、中長期的な投資的観点から、世界各国のデジタル広告関連事業者の参入が最も集中している地域だという。

 ただし、該当地域の多くの国において、広告市場はテレビ、新聞、ラジオなどのトラディショナルメディアの構成比が高く、デジタル広告の構成比は低い水準であるのが共通した特徴であり、スマートフォン利用を取り巻く環境が整備途上にあることなどから、スマートフォン広告市場は本格的な立ち上がり前の状況にあるという。

 しかし、スマートフォン端末の急速な普及と世界各国からの投資の拡大にともない、環境整備が進みつつあるとしている。また、これらの地域ではソーシャルメディアの浸透率が高く、その利用時間は世界で最も高い水準にあるといわれており、広告主のスマートフォン広告に対する注目度は高い。

 今後数年内には、スマートフォン広告の成長に必要な市場環境が整備され、中長期での高い成長が期待されている。このため、東南アジア地域(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン)の市場規模は、2014年の154億円から、2018年には約8倍の1231億円に拡大することが予想されている。

 インド市場では、近年IT産業への投資が進んでおり、フィーチャーフォンからスマートフォンへと端末の急速なシフトがみられるという。大手EC事業者やモバイルアプリによる情報サービスを提供する事業者などが、潤沢な資金と国内におけるサービス競争の高まりを背景に、スマートフォン広告によるプロモーションを拡大しており、2015年から2016年にかけて前年比200%以上の急激な成長を遂げ、2018年には、2014年の約13倍規模の778億円に拡大することが予想される。


 オーストラリア市場は、米国・英国市場などの強い影響を受けており、グローバル展開をする数多くの広告主、広告会社、メディアが参入した市場となっている。高いスマートフォン普及率を背景に、デジタル広告費のスマートフォン広告シフトが進んでおり、スマートフォンゲームや金融、Eコマース、ライフスタイルサービスなどを中心とするスマートフォンプロモーション需要の拡大を受けて、高い水準で成長を続けている。

 今後もデジタル広告費のPCからスマートフォンへのシフトのほか、グローバル企業や国内企業の旺盛な需要を背景に、市場は順調に拡大することが予想されている。


 アジア太平洋地域内のスマートフォンユーザー数(香港を除く12か国の累計普及台数)は、2014年の約14億台から2018年には27億台に増加することが予想されるほか、スマートフォン普及台数の順調な増加や世界のデジタル広告産業からの投資によってスマートフォン広告市場を取り巻く環境整備が進み、中長期的に広告費のスマートフォン移行が起こると予想されているという。

 また今後の経済成長により、広告市場全体が成長しスマートフォン広告市場の活性化が進むと考えられており、2018年のアジア太平洋地域におけるスマートフォン広告市場は、2014年の1兆2343億円から、2018年には約4倍の4兆8161億円に拡大すると予想されるという。

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