この連載では、企業でのアプリのプロモーション活用から、スマートフォン広告で重要な位置を占めるテクニカルな運用型広告、メディアやアプリ・マーケットなどの市場環境を含め、広告・マーケティング分野における“スマートフォンの今”をお伝えする。
前回はスマートフォン広告市場の最新動向について触れたが、ここでは広告主の動向に対応する広告種別、メディアレップの役割について説明したい。
スマートフォン上の広告のタイプは大きく分けて、次の2つになる。
◆予約型(リザベーション):期間保証・インプレッション保証
◆運用型(パフォーマンス/プロモーション):クリック保証・成果保証・インストール保証
予約型というのは、ヤフーのブランドパネルに代表されるディスプレイ広告が主体で、これにメール広告、あるいは販促プロモーションを絡めたキャンペーン施策が加わる。企画ものであるタイアップ広告などは、媒体特性を活かし、新たな手法も加わり伸びていくと思われる。
もうひとつ、昨今の主流といえるのがアドネットワーク、サーチなど、運用型といわれるカテゴリだ。PCやフィーチャーフォンと比べて、多くのメディアが乱立していることもあり、アドネットワークを活用してまとめて広告を出稿するという手法が急速に普及した。アドネットワークは、ネットワーク上の多数のメディア、ウェブサイトやアプリ上に広告を自動的に配信するシステムであるため、全体としては多くのトラフィック量を確保することが可能であり、総体として高いリーチ率の獲得が期待できるとされる。
ただし、アドネットワークには多種多様なジャンルの広告や広告媒体が混在しているため問題も起きる。ユーザーの行動を分析する行動ターゲティング広告が導入されていたり、広告のジャンルをあらかじめ設定したりできる場合もあるが、それでも、自社の広告がどの媒体に掲載されるのか、また同じページ内に他にどのような広告が併載されるかは把握しきれないことがある。
それは、あるサイトが同一ネットワークとだけリンクしているとは限らないからだ。実際に、ある広告主の広告とアダルトな要素を含むコンテンツが併載され、広告主はそれ以降アドネットワークへの出稿を止め、追加予算では出稿先が把握できコントール可能な予約型広告に振り分けた、というケースもある。
また、Ad Exchange(アドエクスチェンジ)も台頭している。日本ではアドマーケットプレイスと呼ばれる広告の取引市場だ。日本では、この市場で広告主が広告枠を直接購入できる。媒体社が広告枠の販売価格や掲載期間などを登録して、広告主はターゲット層の条件を登録して直接取引する。取引が成立すれば、媒体社に広告料を支払うという仕組みだ。
こうした状況にあって、私たちメディアレップの役割は、効果測定の精度を高めて、運用を含め広告主、広告業種に対応したフォローアップ体制を確立することにある。もうひとつは、各プラットフォーム、媒体特性を理解し、人のアイデアが必要とされるタイアップ広告やO2Oプロモーションといった統合マーケティングの力をつけることだ。
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