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アジア現地駐在員マーケティングレポート

中国人の資産が変えた香港市場と、日本だけができるインバウンド - (page 2)

白瀧優子(アウン香港マーケティング)2015年07月08日 08時00分
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香港離れをしていく中国人とその行方

 抗議デモの騒ぎは中国人客にも衝撃を与え、テレビ報道のインタビューで「お金を払って買い物をしているのに、中国人だからというだけで荷物を蹴られたりするなんておかしい。大体香港人だって中国人なんじゃないのか」と話すおじいちゃんの姿が何度も放送されました。その頃、日本の薬局でたくさんお買い物をしようとした香港人に対し、アルバイト店員の中国人が「お前たちだって同じことをしているじゃないか」と怒鳴りつけるという事件もあったそうですね。

 2015年に入って香港への中国人観光客は激減し、それと呼応するように香港の小売市場は2003年以来最も低い売上額を記録しました。上述の周大幅は売上の6割を中国人買い物客に依存していたことから大きな打撃を受け、観光とショッピングの中心地であるCauseway Bayの店舗を閉鎖すると発表しています。

 中国人客の減少は店舗賃料の引き下げも起こしており、3年前にはニューヨークの5番街よりも高かったCauseway Bayでも、空き店舗が目立ち始めています。香港の財閥や富裕層というのはほとんどが不動産で財を築いているので、不動産価格の変動が大きくなると、香港経済全体に大きな影響を与えることになるでしょう。

 では、中国人観光客はどこへ向かっているのでしょうか。Travelzoo Asia Pacificが中国人旅行者4300人を対象に実施したアンケート調査によると、2015年に最も旅行したい国は日本で、約40%の回答者の支持を得ています。円安に加えビザ緩和の影響で、また近隣の韓国ではMERSが懸念されることもあり、6月以降も中国からの訪日客数は増えるのではないかと思います。

中国人観光客を受け入れる日本の観光地への影響

 観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査(2014年)」によると、すでに旅行消費額が最も大きいのは中国で、しかも「前年(2013年)と比べると、中国の旅行消費額は約2倍で、増加率は非常に高い」とあります。この傾向が続くことにより、日本の小売市場は香港のような影響を受けることになるのでしょうか。

 香港は徹底したキャピタリズムの街で、すぐに市場の需給に反応していくのに対して、日本はとても変化が遅い国です。まして観光という面では、目に見えない「おもてなし」などを大事にするところもあり、香港のようにすぐに振り回されはしないのではないかと思います。とはいえ数千万人という数の観光客がやってきたとき、影響がないはずはありません。どのような対応をすれば、これをチャンスにできるでしょうか。

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