この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを隔週でお届けします。
SNSを活用した電子商取引の1種である、ソーシャルコマース。同市場は2008年に米国シカゴで設立されたGrouponの成功を筆頭に、世界各国に関連サービスが拡大。2010年には爆発的な成長を見せました。そして今後は安定期に入る可能性が高いと見られています。
スマートフォンの普及にともないソーシャルコマースが急速に広がった韓国の場合は、主要ソーシャルコマース企業間の競争が激化し、過剰なマーケティング支出で営業赤字を記録するなど、いまだ不安定な動きを見せています。その反面、順調な成長を続けているのが台湾市場です。今回はその台湾ソーシャルコマース市場についてご紹介します。
台湾の主要ソーシャルコマース3社は「GOMAJI」、「Groupon台湾」、「17Life」です。その中で現在台湾において最大のシェアを占めているサイトは、台湾企業が2010年に設立した、GOMAJI。
GOMAJI発表のデータを見ると、2014年の平均客単価は800元(約3100円)と、設立当初である2010年の600元(約2300円)に比べ、約33%の成長を見せています。
また、1人あたりの月間消費金額も800元(約3100円)から1500元(約5800円)に増加するなど、こちらも約2倍に成長しています。また、この成長の勢いは取引額だけではなく、営業利益にも顕著に表れています。
ソーシャルコマースサイトでは実にさまざまな商品が販売されており、設立当初は食事券が主流であった品目も、現在では宅配や旅行商品など種類が増え、普通のECサイトと比べても遜色のない商品構成でユーザーのニーズを満たしています。
台湾では自炊をするよりも外食する方が安く、外で簡単に食事を済ませる外食人口が多いですが、共働き世帯や1人暮らしの増加、そして物価上昇で外食人口はさらに増加傾向にあります。台湾女性の経済活動への参加拡大と外食産業の成長という背景の中で、ソーシャルコマースの中でも外食分野は必然的に主流となりつつあります。
物価上昇による家計への負担を減らす節約術として、ソーシャルコマースを選択する台湾の人々。ソーシャルコマース市場の拡大は、このような人々の消費行動の変化が主な要因であり、とりわけ家計を握る主婦層がソーシャルコマース市場の立役者なのではないかと考えられます。
外食費用の上昇が続いても外食を避けられない現在の台湾。業界関係者は、食事券などのクーポン販売が今後さらに拡大すると予想しています。
多数のECサイトを運営している「kuobrothers.com」が2015年1月に発表した調査によると、2014年度のソーシャルコマース消費トレンドとして、(1)オフィスでの宅配便受け取りが多いこと、(2)大型家具、インテリア商品や家電、PC、PC関連アクセサリの購買増加、(3)果物、ステーキ、おやつなどの食品類の購買増加――を上げています。
なお宅配商品の場合、大量に購入することで配達料が無料になるなどの特典もあるので、職場の同僚と一緒に購入することもよくあります。
台湾土産として人気のパイナップルケーキ。今回はそのパイナップルケーキを買うだけではなく、自分で作ることができる場所をご紹介します。
MRT士林駅から徒歩10分の距離に位置している「郭元益糕餅博物館(士林館)」。この博物館を運営している企業「郭元益食品」は140年以上の歴史がある菓子専門メーカーの老舗であり、館内で同社の歴史資料を展示しているほか、お菓子の歴史と文化を紹介しています。
この博物館では「お菓子作り体験イベント」を開催しており、パイナップルケーキのほか、月替わりでさまざまなお菓子作りを体験できます。先生の指導で生地作りからはじめ、焼き上がりを待つ間には教室が用意してくれるお茶とお菓子をいただき、博物館の見学もできます。館内に用意されている中国伝統衣装の変身体験も楽しみの一つです。
焼き上がったパイナップルケーキは、1つ1つ丁寧に包み紙で包装します。包装が終わったら完成! 博物館のホームページから参加予約が可能なので、台湾旅行の思い出に、是非挑戦してみてください。
2010年10月、アウンコンサルティング沖縄支店入社。
アウンコリアマーケティングを経て、2013年8月よりアウン台湾マーケティングにてSEOとリスティング広告を主軸とした検索エンジンマーケティング(SEM)の分析・運用などに携わっている。
ウェブに関する資格を多数保有している。Google Partners Certification(Google認定資格)、Google Analytics Individual Qualification(Google認定資格)、Bing Ads Accredited Professional(Bing認定資格)、検索広告マーケッター(韓国情報通信振興協会認定資格)、ウェブデザイン技能士(韓国産業人力公団認定資格)、コンピューター・グラフィックス運用技能士(韓国産業人力公団認定資格)など、ウェブに精通した知識と技量を持つ。
また、語学も堪能であり、韓国語日本語中国語を話すトリリンガルである。日本語検定1級も所有しているため、日本人よりも綺麗な日本語を話すと評判。
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