この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを隔週でお届けします。今回は日本から、各国・地域のスマートフォンの使用状況についてお伝えします。
昨今のデジタルマーケティングにおいて、皆さんの最も記憶に新しい大きなニュースといえば、Googleが4月21日に実施したモバイルフレンドリーアップデートなのではないかと思います。
新しい機能が開発されたり、低価格のスマートフォンがシェアを拡大したりするなど、常に進化を続けているスマートフォン。今回は、アウンコンサルティングが拠点展開をしている台湾、香港、タイ、シンガポールと日本のスマートフォンの使用状況を比較していきます。
日本ではいわゆる“ガラケー”と呼ばれている従来型の携帯電話(フィーチャーフォン)が長く人気を博しており、未だに多くの人がガラケーを愛用しています。MM総研が発表した「2014年国内携帯電話端末出荷概況」では、2014年12月末の携帯電話契約状況において、全契約数1億2511万件のうちスマートフォンの契約数は6544万件、それに対しガラケーの契約数は5967万件と、ほぼ半数の契約状況となっています。
Googleのツール「Our Mobile Planet」で各国・地域のスマートフォン普及率を調査したところ、やはり日本のスマートフォン普及率は今回比較をした国や地域の中で最も低く、25%でした。一方、最もスマートフォン普及率が高かった国はシンガポールで72%。日本の約3倍です。
それでは、デバイスごとのインターネット使用状況はどうなっているのでしょうか。
We are social発表の資料によると、日本ではPCの使用比率が最も高く67%。次いでモバイルが28%、タブレットが5%、その他のデバイスが0.2%となっています。日本では企業の多くがビジネスでPCを使用しており、それにともないPC使用比率が高くなっていることが考えられます。
スマートフォン普及率75%のシンガポールはどうでしょうか。
日本と数字はほぼ同等で、PC使用比率が最も高く60%。次いでモバイルが32%、タブレットが8%、その他のデバイスが0%となっています。
シンガポールでもビジネスシーンにおけるPC使用率が高いことから、このようにPC使用率が最も高くなっていることが考えられます。
一方、スマートフォン普及率が31%と、今回比較した国や地域の中で日本に次ぐ低いスマートフォン普及率であったタイは、日本やシンガポールと比べ数値に大きな開きはないものの、PC使用比率が56%、次いでモバイルが38%、タブレットが7%、その他のデバイスが0%と、PC使用率とモバイル使用率の数値が最も近くなっています。
この理由として、日本とシンガポールと比べるとインターネットの普及の時期が遅く、我々のようにインターネットはPCからスタートしたのではなく、普及した時点でインターネットに接続可能なデバイスがPC以外の選択肢もあったことが要因として考えられます。
また、昨年と比べた使用率を見ると、PCの使用率は17%減少しているのに対し、モバイルは52%増加しているなど、タイではモバイルの勢いがあることがわかります。
タイでは格安スマートフォンの勢いが強まり、タイ政府によるWi-Fiフリースポットの設置なども相まって、ぐんぐんとスマートフォン普及の波が広がっています。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス