この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを週替わりでお届けします。今回はタイ人が日本に関する情報をどのように収集しているかを紹介します。
タイ国内の日本食レストラン数は年々増加しつづけており、2014年、ついに2000店(同6月時点)を超えました。タイにおける日本ブームは日本食にとどまりません。たくさんのタイ人旅行者が日本を訪れているというのは、日本でもしばしばニュースとして取り上げられているかと思います。
タイのテレビ番組ではさまざまな日本特集が放送されています。タイ人の芸能人やレポーターが実際に日本に取材に訪れて、観光地などを紹介する番組が10以上あるそうです。
また、最近では「Kol Kimono(きもの秘伝)」というタイのテレビドラマが話題になっています。これは5月から放送される新作ドラマで、「伝説の未完成の着物」をめぐり2つの名家が対立する、西洋の「ロミオとジュリエット」と東洋の「七夕」を掛け合わせた“現代版ラブ・ファンタジー”だそうです。ロケ地の九州は、まだ北海道ほど知名度は高くありませんが、このドラマをきっかけに今後人気が高まることが期待されます。
日本について何かを調べようとタイの人々が考えた時、検索するサイトがあります。それは「Pantip」というタイ最大級の掲示板サイトです。扱っている情報は日本に限らず、おすすめのレストランから美容情報まで実に多種多様なテーマについて、日々書き込まれています。
特徴的なのは、例えば日本人であれば検索するときに「タイ ホテル 口コミ」や「タイ ホテル おすすめ」と検索するのが一般的ですが、タイではこのPantipというサイト名が「口コミ」や「おすすめ」といったキーワードに置き換わるくらい知名度が高いという点です。
具体的には、「箱根 Pantip」や「札幌 ホテル pantip」といったキーワードで検索されています。タイ人がどのような意見を持っているのかを知りたい時に、Pantipで情報を探してみるのも良いかもしれません。
Pantipは、ユーザーが能動的に情報を取得する際にしばしば利用されますが、最近のトレンドとして、日本のローカル情報を発信するFacebookページもこの1年ほどでたくさん登場しました。
中でも急激にファン数を増やしているのが「Madoo Japan」というFacebookページです。そこでは現地の旅行やグルメだけではなく、文化や風習、ローカル情報などが毎日発信されています。
これだけ日本の情報が氾濫している中で、日本好きのタイ人にとって欲しい情報というのは定番の日本(富士山や寿司、桜)だけではなく、よりニッチな情報にシフトしてきているのが最近のトレンドです。
タイでは急激にスマートフォンが普及し、人々がインターネットを利用する機会が増えています。タイでのプロモーションを考えている方は、上述のような“タイのトレンド”を理解し、実施するのも1つの手法かもしれません。
タイには4月13日から15日にソンクラーンというタイの旧正月があります。この期間中、各地で水かけ祭りという、その名の通り水を掛け合うお祭りが行われて、大変盛り上がります。
ただ、うっかり旅行や出張で訪れた際などは、容赦なく水をかけられてしまうので注意してくださいね。
2009年アウンコンサルティング入社。新規事業の立ち上げメンバーとして外国人向け旅行サイトの営業から企画、運営に従事。その後、主力事業である検索エンジンマーケティング(SEM)事業部の営業・コンサルティングに従事。
2012年5月より同社タイ法人に出向。タイ法人においては、日系、タイに関わらず製造業などのBtoBから、旅行、不動産などのBtoCに至るまで幅広い業種の企業を50社以上支援。クライアントのニーズに応じた課題解決を得意とする。
オフでは、タイで働いている同年代の人達と食事をしたり、旅行をしたりしている。
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