Adobeは米国時間3月10日、デジタルマーケティングカンファレンス「Adobe Summit 2015」において、統合型モバイルアプリフレームワークを含む「Adobe Mobile Services」向けの機能を拡張したと発表した。
Adobe Mobile Servicesは、統合されたマーケティングソリューション「Adobe Marketing Cloud」を構成するツールの中核を担う「コアサービス」の機能の1つで、アプリの開発からユーザー獲得、分析、エンゲージメント強化までのモバイルアプリのライフサイクル全体を簡素化する。
Adobe Mobile Servicesを補完するため、モバイルアプリのフレームワークに6社のアプリテクノロジープロバイダーとそのツールを統合し、顧客がアプリの機能拡張のためにパートナーエコシステムを活用できるようにしたという。Adobe Mobile Servicesのモバイルアプリフレームワークは以下の4つある。
まず「アプリ開発」だ。「Adobe Experience Manager Apps」と「PhoneGap Enterprise」により、企業はHTMLやCSS、JavaScriptなどのウェブテクノロジを使用し、モバイルプラットフォームで動作するアプリの作成が可能になる。モバイルアプリは、デジタルアセット管理のAdobe Experience Managerにネイティブ統合することで、複数のアプリストア、オペレーティングシステム、デバイスのサイズを気にすることなく、一貫してコンテンツを管理する。
また、Adobe Experience Manager Appsにより、アプリを配信した後も、開発者のリソースに負担をかけず、マーケティングと事業担当部署がアプリのコンテンツと機能の両方をアップデートし、各デバイスに配信できる。LonicのHTML5ソリューションとの統合により、開発者はデザイン性のあるアプリを設計可能になった。
2つめは「ユーザー獲得」だ。Fiksuと提携し、「Adobe Analytics」と連携することで、モバイルアプリの新規ユーザー獲得を支援する。また、「Adobe Target」のABテスト対応により、デバイスの種別やオペレーティングシステムなど、モバイル特有の基準でオーディエンスを識別することで、マーケターによるコンテンツの最適化やターゲティングをサポートできる。Kochavaのソリューションとの統合により、企業はあらゆる広告のコンバージョン、モバイル広告全体の効果を把握可能になった。
3つめは「アプリ解析」だ。Adobe Analyticsとモバイルアプリとの連携によって、マーケターはアプリの起動頻度、アプリ内のユーザーの行動、ダウンロードに寄与したリンクなど、モバイルアプリの使用に関するインサイトを得られる。Crittercismのアプリパフォーマンス管理ソリューションを統合することで、企業は基本的なクラッシュレポート以外の詳細なエラーや、ユーザーとのやりとりが把握できるようになった。さらに、appFigureのアプリストア分析プラットフォームとの統合により、企業は売上やダウンロード数、アプリのランキングなどのデータを自動的に取得、可視化することも可能になった。
4つめは「ユーザーエンゲージメント」だ。Adobe AnalyticsでGPSやiBeaconをネイティブサポートすることで、モバイルユーザーはブランドと接触した瞬間に関連するコンテンツを受け取れるようになる。Vibesとの提携により、アプリのユーザーとのエンゲージメントを強化し、コンテキスト(文脈)に合ったエクスペリエンスとプロモーションを送信する包括ツール群を提供できるようになった。Vibesのモバイルウォレット機能と「Adobe Campaign」の統合により、AppleのPassbookやGoogle Walletでパーソナライズ化された「パス」を提供する機能が可能になった。
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