サムスンの「Gear VR」レビュー--バーチャルリアリティが手元に - (page 4)

　シルク・ドゥ・ソレイユの「Zarkana」と「Strangers: A Moment with Patrick Watson」：この2つの短い3D VR動画は、どちらも本物の体験がテレプレゼンスの感動を作り出せることを示している。前者はサーカス一座と一緒にステージに立っているような気になる劇場のパフォーマンスで、後者はPatrick Watson氏のアパートメントスタジオで行われた静かなピアノリサイタルだ。周りを見回して、Watson氏の犬を観察することもできれば、プライベートコンサートのように音楽に聴き入ることもできる。

　「Ikarus」「Minotaur Rescue VR Lite」：数多くある無料のゲームやデモの中から2つを紹介する。Ikarusはパズル型のプラットフォームゲームで、固定されている自分の視点の前でゲームが展開する。Minotaur Rescueは「アステロイド」が大きくなったようなゲームで、上下に伸びるビルの中に宙づりになっているような画面でゲームをプレイする。

　さらに言葉を重ねてVRがどのようなものかを説明することはできるが、上手くいかないだろう。ただし、筆者の母から義理の兄弟、妹、新しいものに慣れきったベテランテクノロジレビュワーである同僚のDavid Katzmaier氏やJohn Falcone氏に至るまで、全員が強い印象を受けたことは書いておこう。全員に強い印象を与えるのは、簡単なことではない。人を感心させることは難しいのだ。このVRキットはそれをやってのけた。このヘッドセットが実現する、継ぎ目のないパノラマ写真や3Dの部屋などは、魔法のように感じられる。特に人混みの中の公園のベンチで、VR体験でくたくたに疲れ切ったときなどはそう感じた。誰かにからかわれたり、襲われたり（可能性は常にある）するのが心配なら、GALAXY Note 4のカメラを使って周囲を見ることができる透過モードも用意されている。ゴーグルを外さなくても周囲が見られるのは不思議だが役に立つ。

提供：CNET

テレプレゼンスの始まり

サムスン、「Gear VR」用360度ビデオを提供する「Milk VR」公開

　サムスンは、パノラマ動画を撮影できる360度カメラを発売予定で、これは特にGear VRのようなVRヘッドセットで利用することを想定している。このGear VRキットに同梱されているパノラマ動画は、そのカメラで何が可能で、将来何が実現できるかを示している。スポーツや映画館、火星や海中を想像してほしい。没入できる3Dのライブ映像がいつ始まるかは分からないが、これらのヘッドセットは、自分がどこかほかのところにいるように感じさせてくれる初めてのデバイスだ。

　30分くらい経ってゴーグルを外すと、目がかすんだ。周囲の世界は小さく、しかしはっきりとして感じられた。筆者はニュージャージーに戻る電車の中で、Oculusのヘッドセットではこの様子はどう見えるのだろうと考えていた。

提供：Sarah Tew/CNET