潜水艦に乗っているようだ。目の前には制御パネルがある。私はそちらの方に歩いて行く。後ろで物音がする。ベントから蒸気が漏れ出ている?振り返ると、パネルに周囲が映り込んでいるが、 私の姿は映っていない。なぜなら、私はそこにいないからだ。パネルに向かって歩いて行くと、足下の床が少し下がったのを感じる。これは「Oculus Rift Crescent Bay」の自由に動けるデモ用の体験ルームに敷いてある、四角いスポンジエリアの端に達したからだ。また、後頭部が引っ張られているのを感じる。これは、この仮想世界を送り込んでいるPCにつながるケーブルだ。
今回のOculus Riftは、仮想現実のビジョンに完全に引き込まれてしまい、唯一その邪魔になるのは、頭を引っ張るケーブルの束だけという水準まで来ている。Oculusは毎年新たなプロトタイプを発表しているが、一般販売されるモデルはまだ予定されていない。Crescent Bayが発表されたのは、2014年9月に開催された同社初の開発者向けカンファレンスOculus Connectだ。CES 2015では、そのハードウェアに数多くの修正が施されていたが、最大の違いは空間内で自由に動けることだろう。
外部カメラで位置をトラッキングできるのは同じだが、今回は歩き回るほかに、しゃがんだり、向きを変えたり、身をよじったりすることもできる。自由に動けるようになったため、筆者が足を踏み入れたOculusのデモルームには、一面にクッションが張り巡らされていた。足下の四角のフロアマットは、自由に動ける範囲の境界を示しているが、その範囲内であればどこにでも行ける。ケーブルが届く限り、ひざまずくことも、床を這うこともできた。新しいヘッドマウントデバイスも改善されている。フレネルレンズの採用と解像度の向上によって、より鮮明でなめらかな体験ができるようになり、折りたたみ式のヘッドホンは3Dサウンドを出力でき、ある種の音声VRも可能になった。
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