Oculus VRは米国時間1月26日、仮想現実(VR)映画の制作を手がける子会社Oculus Story Studioの設立をユタ州パークシティで開催のSundance Film Festivalで発表した。手始めにこの日の夜、同スタジオ初の作品となる5分間の短編アニメ『Lost』を披露する予定だ。
Oculusのモバイル事業を率いるMax Cohen氏は、2014年の米CNETとのインタビューで、同社は「既存のコンテンツや映画を、優れたVR環境に移植する能力を市場にもたらすことが目標」だと述べていた。
すなわち、あらゆるVRデバイスメーカーが抱える主な問題は、コンテンツを用意することだ。複数のハリウッドの映画会社がVR市場への参入を検討する様子をみせており、一部はすでに同技術の調査を開始している。しかし、自社の全作品をVRに移植する決断に踏み切ったところはまだない。
Oculusの映画制作チームには約10人が在籍しており、中にはPixar Animation StudiosやLucasfilmへの在籍経験者もいる。たんにバーチャルスクリーンで上映する映画を制作し、設立当初の負担を減らすことは簡単かもしれない。しかし、より大きな目標として(そして、VRを従来のストリーミングデバイスと一線を画すものにするであろうものとして)は、ヘッドセットの装着によって映画の「中」に入れるようにし、ユーザーを映画環境に没入させることがある。
米CNETが確認したところ、Oculusのビジョンの中心にあるのは「仮想世界にユーザーを没入させる」体験を創出することであり、『Lost』はそれを披露するための作品になるという。受け身な視聴体験にOculusはほとんど関心をもっていない。
なお『Lost』の上映には、新たなプロトタイプのVRデバイスが使用される。開発コード名「Crescent Bay」というこのプロトタイプは、Oculusが手がけるヘッドセット「Rift」にヘッドフォンを追加したものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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