加えて、スマートフォン普及率が85%とアジアで最も高い割合のシンガポールだけに、スマホアプリを使った健康促進も広まっています。
シンガポールだけで使われているもの、というのは少ないものの、たとえばSamsungのGALAXYシリーズに標準搭載されている「S Health」は多くの人に使われています。健康状態を日々管理するアプリで、エクササイズ、食物摂取量、心拍数をリアルタイムに記録し確認することで、ライフスタイルを向上させることができます。
さらに日本でもよく使われている「Runkeeper」も広まっており、スマホ端末のGPSを使って、自分のランニング、ウォーキング、サイクリング、ハイキング、マウンテンバイキングなどを追跡して記録できます。そのほか、「Strava GPS」「Nike+ Running」なども使われています。
加えて、健康促進局が主催する「One Million KG Challenge」という活動があります。参加者にSMS(ショートメッセージサービス)で体重を測るよう奨励し、減量に成功した人にはジム利用の無料券などの報酬を与えるものです。いかに導入障壁を低くして参加してもらうか、健康促進局が色々と考えていることがわかります。これにはガーディアンなどの薬局グループも協賛し、現在進行形で開催されています。
今後の対策について、2014年4月に健康促進局がHealthy Living Master Plan(HLMP)reportをリリースしました。そこには、“Healthy Living Every Day”というビジョンが明確化されています。それは2020年までに、全家庭、職場、学校において、“健康に生きる”という概念を第一に掲げるというものです。
その一環として、同局が“Healthy Meals programme”と称して学校や保育所で行っている食育活動があります。2016年までに全公立学校、2020年までに920の保育所に広める計画となっており、食育に対するカウンセリングや啓蒙活動などを実施します。
健康の促進や肥満の改善は、日々の過ごし方(ライフスタイル)に大きく影響されるため、大人へのインセンティブを付与する改善も重要ですが、それとともに幼少期からの教育が重要です。
栄養が考慮されたものを取り入れる食生活をし、日常的な運動を幼い頃から取り入れれば、今よりも肥満は減っていくと考えられます。
現在のシンガポールは学業優先で、運動に対して重きを置いていないという現状もありますが、それは政府のエリート人材育成方針との兼ね合い上で起きていることです。しかし、エリート層は健康に対する意識と所得が高く、健康的な生活を送れるようになる、といういびつな形になっています。
当然、それが一概には悪いとはいえず、優秀な人材を先発して政府や国有企業のマネジメントをさせることが、シンガポールの急激な成長の一助となったことは否めません。
ただし、ガムシャラに成長しなければならない時期が一段落した今、政府としては現状を注視した上で、一般層の健康意識への働きかけを始めようとしています。
アジアの中でも圧倒的な経済的成長を成し遂げた同国政府が、これからはシンガポール人自身の健康と幸福の最大化を、どのようにロジックを組み、実行していくのかが注目されます。
フルーツを食べることにハマっています。シンガポールは南国だけあり、色々な種類のおいしいフルーツを気軽に買うことができます。その中で身体を冷やさずに、食物繊維と水分を多く摂れるものを選定し、朝食代わりにボウルいっぱい食べています。そのおかげか出張が多い割には体調も良いため、当分続けてみようと考えています。
2006年アウンコンサルティング入社。
検索エンジンマーケティング(SEM)における新規顧客開拓を担ったのち、SEMコンサルタントとして大手プロバイダや不動産などを中心に企業のマーケティング支援に従事。
その後、沖縄支店およびアウンタイラボラトリーズのヘッドマネージャーとして、現地法人運営と現地スタッフの育成、売上拡大における販売戦略の立案と実行を行う。
現在は海外拠点、アウングローバルマーケティング(シンガポール)とアウン香港マーケティングのマネージングダイレクターを兼任し、幅広い業種・業態のSEMを含む、グローバルマーケティング活動の支援を行う。
※記事に関するお問合わせは下記まで。
広報担当 千代田/TEL:03-5803-2739 MAIL:pr@auncon.co.jp
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス