Appleの「iPhone 6」は、2014年最大の公然の秘密(そして、最も期待されたデバイス)の1つになるかもしれない。
Appleは2007年に「iPhone」を発表して以来、新モデルを毎年追加しており、これまでに7世代(8機種)が登場している。この3年間、Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏は、秋に新デザインを披露してきた。そのため、Apple観測筋は2014年のアップデート(2013年の「iPhone 5s」と「iPhone 5c」に続く機種なのでiPhone 6と呼ばれている)が9月に発表されると予想している。
競合他社は新しいデバイスを毎月発表しているように思えるが、Appleは大規模なスマートフォンイベントを年に一度開催するだけなので、iPhoneの発表は毎回が重大事である。何より、iPhoneはApple最大のドル箱製品だからだ。アナリストによると、iPhoneは同社売上高の半分以上、利益の約70%を占めているという。
iPhone 6は、同スマートフォンの「メジャー」アップデートになると見られており、特に期待が高い。Appleは大きな変更を施した新デザインを1年おきに発表し、その間の年には、魅力的ではあるが地味なアップデート(iPhone 5sやiPhone 5cなど)を発表するというパターンを守ってきた。しかし、Appleの投資家や熱狂的支持者は、発展的な製品ではなく革新的な製品を発表すべきときが来たと考えている。また、Cook氏は2014年後半に非常に魅力的な新製品を発表すると述べてきた。
したがって、Cook氏と同氏のチーム(統括者はデザインチーフのJony Ive氏)がiPhone 6に何を詰め込んだのかが非常に重要だ。Appleには、最大の競合であるサムスンにユーザーを奪われるのを傍観する余裕はなく、また、Appleユーザーにアップグレードをもう1年待ってもらうわけにもいかない。市場調査会社のIDCによると、iPhoneの世界スマートフォン市場におけるシェアは、2011年第4四半期の23%をピークに、2014年第2四半期には12%まで落ち込んだという。その結果、Appleはサムスンに首位の座を奪われて2位に転落した。
サムスンは特許をめぐってAppleと法廷闘争を繰り広げており、急速に成長する新興市場でXiaomi(小米科技)やHuawei(ファーウェイ)、Lenovoといった中国ベンダーからの追い上げにあっているが、四半期ごとのスマートフォン出荷台数は現在もAppleの2倍以上である。
それは決して、Appleにとってゲームオーバーを意味するわけではない。直近の四半期(米国時間6月28日締め)は、Appleの最新デバイス(新しいタッチ指紋セキュリティシステムとさらに高速なチップを搭載したiPhone 5sと、プラスチック筐体を採用し価格を抑えたiPhone 5c)の発売から9カ月近くたっていたが、消費者は3520万台のiPhoneを購入した。
iPhone 6はAppleの38年の歴史の中で最大の製品発表の1つになるかもしれない。報道によると、Appleは製造パートナーに対し、大型スクリーン搭載のiPhoneを12月30日までに約7000万~8000万台製造するよう依頼したという。これは、2013年にiPhone 5sとiPhone 5cを最初に注文したときより約30~40%多い。
RBC Capital MarketsのAmit Daryanani氏など一部のアナリストは、Appleが2014年末までに8000万台ものiPhone 6を販売する可能性もあると見ているが、もっと現実味のある数字は6500万台程度だろう。これでも過去の台数より多い。
Creative Strategiesのアナリストで、長年Appleを担当してきたTim Bajarin氏は、「これは(Appleの)四半期の成長を牽引する主要製品になるだろう。公平を期すために言えば、おそらく今後2年にわたって、その役割を果たすはずだ」と述べた。
Appleはコメントを控えた。
Appleのデザインは、2010年6月に発売された「iPhone 4」以降、あまり変わっていない。スクリーンサイズがわずかに大きくなっただけで、バッテリ持続時間はずっと約10時間のままだ。
iPhoneのいくつかの機能(特にスクリーンサイズ)は、「Android」搭載デバイスの機能に後れを取っている。Androidは、GoogleがAppleの「iOS」の代替OSとしてスマートフォンやタブレットのメーカーに提供しているOSだ。
iPhone 6には、現在のユーザーを引き続き満足させ、あわよくば一部のAndroidユーザーの関心も引けるだけの新機能が必要だ。新モデルに搭載される機能や搭載されない機能について、おびただしい数のうわさが飛び交っている。ここからは、市場観測筋が最も可能性が高いと考えている新機能を見ていく。
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