Baird Researchの金融アナリストが実施した調査は、大型iPhoneに対する「関心度が非常に高い」ことを示しているが、同社の調査に応じた現iPhoneユーザーの21%は、大型スクリーン搭載iPhoneにそれほど関心がない、またはほとんど関心がないと回答している。
小型スクリーンに対するニーズにAppleがどう対応するかについて、アナリストの予測は分かれているが、新しいデバイスを発表するか、旧型デバイスのバリエーション機をリリースするか(iPhone 5cが実質的にiPhone 5をカラープラスチック筐体に入れたものであるように)は別にして、小型スクリーン搭載デバイスが引き続き提供されるという点では、多くのアナリストの意見が一致している。
AppleがiPhoneのコンポーネントをアップデートすることについて、疑問の余地はほとんどない。過去のすべてのモデルと同じく、自社で設計した新しいプロセッサを搭載すると予想される。命名規則がこれまでどおりであれば、新型チップは「A8」と呼ばれることになるだろう。
iPhone 5sの「A7」チップは、市場で初めての64ビットモバイルプロセッサであり、Appleとモバイル業界全体にとって大きな前進だった。iPhoneはA7が搭載されたことで、大容量のデータを扱う高速アプリを、大半のスマートフォンとタブレットに搭載されている32ビットプロセッサよりも効率的に実行できるようになった。
Appleは同社独自のOSを管理し、独自のプロセッサを設計しているため、その両方を同時に64ビットに対応させることができた。AppleのA7プロセッサの登場を受けて、Qualcommなど多くのAndroid向けチップメーカーが64ビットチップを発表した。しかし実際には、Googleが2014年に「Android L」OSをリリースするまで、Androidでは64ビットがサポートされない。
AppleはiPhone 6でセンサを改善する可能性もある。2013年秋にiPhone 5sで導入された新しいモーションコプロセッサ「M7」は、同デバイスのメインチップと連携して動作し、バッテリを大量に消費することなく、本体の加速度センサ、ジャイロスコープ、コンパスからのモーションデータを継続的に計測する。Appleは、M7によって新世代のヘルスアプリやフィットネスアプリが実現するとしているが、これまでのところ、同チップを活用するアプリ(「Nike+ Move」「DayOne」「Runtastic」「Strava Run」など)はごくわずかだ。
AppleがM7プロセッサをアップデートして、ヘルストラッキング向けのセンサや機能をさらに多く活用する可能性は高い。Appleは今後数カ月、数年にわたってヘルストラッキングに注力していくはずだ。同社は6月に開催のWorldwide Developers Conferenceで、新しい「iOS 8」の「HealthKit」データハブを発表した。健康関連データの追跡が可能になるHealthKitには、「Health」という対応アプリが含まれており、このアプリはサードパーティー製のフィットネスデバイスと連携させることができる。多くの医療機関が既にパートナーとして契約している。
HealthKitは、大きな期待を集めるAppleのスマートウォッチ「iWatch」でも重要な役割を果たすとみられる。iWatchは2014年中、または2015年前半の発売が予想されている。
Appleはバッテリ持続時間を改善するか、少なくとも現状の持続時間を維持するはずだ。また、iPhone 6のカメラは、iPhone 5sのカメラテクノロジより高性能になり、メガピクセル数も増える可能性が高い。
ほかにiPhone 6に追加される可能性があるのは、近距離無線通信(NFC)チップだ。こうしたテクノロジによって、デバイス間で小容量のデータをやり取りすることが可能になる。デバイス同士を接続するには、両方がNFCチップを搭載している必要があり、さらに1インチ(約2.5cm)以内の距離に近づけなければならない。NFCは通常、2つのデバイスを近づけて、クレジットカード情報、電車の切符、クーポン、プレスリリースなどのデータを安全に受け渡すために利用される。
サムスンは、スマートフォンから電化製品まで、あらゆる製品で同テクノロジを推進してきた大企業の1社だ。同社は、ユーザーがNFCを使ってできること(2台の「GALAXY S3」を近づけて動画を共有することなど)を紹介する広告をいくつか発表し、共有機能がないとしてiPhoneを酷評してきた。しかし、先ごろのAppleとサムスンの訴訟で公開された社内文書や専門家の調査結果を見ると、NFCは、消費者が新しいスマートフォンを購入するときに検討する主な要素の1つではないことが分かる。
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