台湾スマホゲーム市場で勝ち残るには--クレカ決済より「プリペイド」 - (page 2)

渡具知直也(D2C)2014年06月18日 08時00分

Google Play復活で「神魔之塔」が大ブレイク

 台湾は消費者保護法のもと、消費者保護がしっかり担保されている。常にユーザーの立場が守られている。台湾では「七天鑑賞期」といわれるクーリングオフ制度があり、ECや通販だけではなく有料アプリも対象となるか否かでGoogleと台北市が裁判で争い、2013年春までGoogle Playでの課金がストップしていた。それが昨年3月に復活し、そこから一気に課金額が世界で4位にまで伸びた。

 そこに登場したのが「神魔之塔」だ。これが未曾有の大ヒットをしていて、1年近く売上トップを記録している。香港のMadHeadという会社が作ったもので、パズドラと酷似したゲームである。

 台湾のゲームユーザーは飽きやすい人が多いと言われているが、このゲームは国民的ヒットとなり、いまだにゲームをしている人が多い状況だ。レアキャラなどをゲットできると、Facebookなどでシェアして自慢する人もいる。神魔之塔は現在も圧倒的な売上ではあるが、LINEゲームと本家パズドラが、現在、確実に追随している。

いかにバズらせるか、シェアさせるか

 台湾ではLINEの普及率が全人口の7割を超えているので、当然、LINEゲームは大ヒットしている。ランキング上位は「神魔之塔」が1位だが、それ以外は、日本よりもLINEゲームで埋まっている。

 日本もLINEのゲームはすでに30本ほど出ていると思うが、そのうちヒット作と言えるのは5~6本だろう。台湾ではそれ以上にLINEゲームが上位を占めている。メッセージプラットフォームとしては「WeChat」も頑張っているのだが、すでにLINEが社会インフラ化しているといえる。

 もう1つの特徴は、Facebookの利用率が日本よりかなり高い。とにかくシェアをしたがる国民性だ。そのため、マーケティングプロモーションは、単純にブーストプロモーションでランキングを上げるだけではなく、いかにバズらせる(拡散させる)か、Facebookでシェアさせるかということがとても重要になってくる。Google Playの売上が大きいため、App Storeと比べると、ランキングロジックにおいてイントール数だけはなく、周辺の指標も重要となる。そのため、FacebookやLINEを軸に据えたマーケティング戦略を取らないと、台湾では効果的にマーケティングできない。

 そんな市場で戦うことになるD2C台湾では、アプリ、ゲームに詳しいメンバーもプロジェクトに参加しており、台湾企業が開発したゲームのプロモーションを手伝っている。Google Playのランキングで上位ランクに上げる術を心得ていると評判も上々だ。これから自社でリリースするゲームのプロモーションについても彼らとチャレンジし、そのノウハウをこれから台湾進出を考える日本企業にフィードバックしていきたいと考えている。

(執筆:D2C ゲーム事業本部 本部長 渡具知直也)

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