2013年には、Pebbleの長所は素晴らしい文字盤を持ち、ポケットベル的な通知を受けられることくらいのように思えた。しかし、今では状況は大きく変わっている。Pebbleではようやくアプリが使えるようになり、その多くはかなり興味深いものだ。Pebbleで利用できる200前後のアプリの中には、TV、GoProなどのカメラ、Nestのサーモスタットのリモコン、カレンダーやリストをチェックするアプリ、睡眠記録、歩数の記録、サイクリング、ランニングの記録などに使えるフィットネスアプリ(ウォッチで取得したデータをスマートフォンに送信する必要がある)、照明を制御できるホームオートメーションアプリ、ESPNでのスポーツのスコアチェックアプリ、Foursquareのアプリ、Yelpのアプリ、ポーカータイマー、プレーンテキストリーダー、風変わりなゲームなどが含まれている。用意されているアプリは種々雑多だが、公式のアプリストアが用意されたため、アプリを見つけるのも簡単になった。
筆者はこの数日間、新しいPebbleアプリとアプリストアのプレリリース版を使用して、できるだけ多くのアプリを試してみた。まだバグも見られるが、おそらく最終的にはより洗練されたものになるのだろう。全体としてみれば、アプリには可能性も制約もある。アプリの中には、クラッシュするものもあれば、同期が取れないものもあったが、まったく問題なく動作するものもあった。ただし、アプリがクラッシュした場合でさえ、Pebbleは自動的に再起動し、それ以降は何も問題なく使えた。繰り返すが、私が使ったアプリとアプリストアは、リリース前の開発版であり、最終バージョンではもっとよくなっているはずだ。
これと似た話を聞いたことがあると感じる人もいるかもしれない。モノクロの画面、自社製の独創的でシンプルなアプリといった特徴は、手首に「Palm Pilot」を巻いているように思わせる。そして実際にも、この比喩はいい面でも悪い面でも合っている。可能性は大きく、日曜大工的な楽しみもあり、珍しさも、不条理さも、うまく動かないやっかいさも同居している。筆者個人は、時計にサイコロ振り機能は必要ないが、便利だという人もいるかもしれない。
筆者が試してみることのできたアプリの中で気に入ったのは、位置情報に基づいてチェックインだけを行うことのできるFoursquareアプリ、近所のレストランのリストやレビューまで表示することのできるYelp、スポーツ試合のスコアだけを見ることができるESPNアプリ、限られたPebbleのボタンによる操作でもかなりうまく動作する、「Drop7」のクローンである「Orbtime」などだ。
しかし、スマートウォッチでなければならないというアプリは、そう多くないというのも事実だ。ESPNやYelpは、Pebbleで何ができるかを示すのには役に立つが、アプリをしばらくいじっていると、スマートフォンを使えばいいのではないかと思えてくる。実際、筆者はPebble Steelを着けているときも、かなり頻繁に自分のスマートフォンを使っていた。タッチスクリーンも、高級なカラースクリーンもないことから分かるように、Pebble Steelはスマートフォンの代わりを目指したものではない。時にはシンプルさが一番大切な場合もあり、それこそ多くのPebble用アプリが狙っていることのように見える。
今後も多くのアプリが登場する見込みであり、これによって筆者の意見も(おそらくよい方に)変わるだろう。CESでは魅力的なMercedes車用アプリがデモに使わていれた。スマートホームやフィットネス用のアプリ、スマートリモコンアプリなども出てくるはずだ。Pebbleのアプリプラットフォームはまだ始まったばかりなのだ。
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