スマートフォンが大きすぎて扱いにくいのなら、2つめの画面を用意して、今の状況を簡単に知ることができるようにすればいい。少なくとも、サムスンはそう考えた。新型スマートウォッチ「GALAXY Gear」を使えば、電話に出る、ショートメッセージの送信など、さまざまなタスクをスマートフォンに触れずに行うことができる。
GALAXY Gear自体には、SIMカードも広域のデータ通信機能もない。そのかわり、Bluetoothでスマートフォンと接続し、第2のディスプレイとして機能する。このデバイスは、スマートフォンで音が鳴るたびに、ポケットから取り出す手間を省くことを目的としている。
サムスンのGALAXY Gearは、大手モバイル機器メーカーから出た初めてのスマートウォッチであり、拡大しつつあるウェアラブルデバイスの分野をリードすることを目指したものだ。確かに刺激的だが、非常に驚いたかと言えばそれほどではない。これといったサードパーティーアプリもなければ、その機能は通話やショートメッセージの取り扱いに限られている。電子メールやソーシャルサービスにはまだ対応していない。
それに、299ドルという値段と、発売時点では「GALAXY Note 3」にしか対応していないことを考えると、失望する人は多いだろう。サムスンによれば、2013年の終わりまでにはアップデートが行われ、「GALAXY S4」「GALAXY S III」「GALAXY Note II」にも対応するとのことだが、それでも対応デバイスが多いとは言えない。HTCの「One」やソニーの「Xperia Z1」に散財してしまった人は、このデバイスは使えないわけだ。
筆者は、GALAXY Gearのつや消しメタル、ボタンのない盤面、黒いラバーストラップの組み合わせはかなり魅力的だと感じた。スタイリッシュかつスマートであるだけでなく、整ったスーツの袖から見えても場違いな感じにはならない。中身はガジェット好きの夢のアイテムのようだが、その全体的なデザインはマニア向けではない。ブラックとシルバーが好みでないという人には、カラーの選択肢も豊富だ。
このウォッチそのものにはボタンが1つしかなく、1回押せばディスプレイの電源が入り、2回押せばサムスン独自の「S Voice(Sボイス)」アプリが起動する。GALAXY Gearの操作自体はタッチディスプレイで行う。1.6インチは小さく感じるかもしれないが、320×320ピクセルの解像度は十分にシャープで小さな文字も読みやすい。また、ストラップに内蔵されているカメラで撮った写真を楽しむのにも十分な鮮やかさを持っている。
このウォッチにはMicro-USBポートがない。充電するには、充電に必要な部品を備えたクレードルにはめ込む必要がある。このクレードルは、近距離無線通信(NFC)の機能も備えている。クレードルは本体のサイズを小さく保つために用意されたもので、2日以上家を離れる場合には、これを携帯する必要がある。頻繁に使用した場合、バッテリは1日しか持たないため、クレードルを忘れてしまうと、この刺激的なガジェットもすぐに腕に巻かれた金属とゴムの飾りになってしまう。
ストラップの長さは調整しやすく、重さが2.6オンス(約73.8g)と軽いこともあって、付けているのを忘れてしまうほど快適だ。全体的な作りの品質は高いが、残念なことに防水機能はない。このため、シャワーを浴びる、手を洗うといった日常的な行動や、雨の中に出ていくといったことにも注意が必要だ。
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