Pebble自体の機能も、利用できるスマートフォンの数も、ほぼ間違いなくほかのどのスマートウォッチよりも優れている。Pebble Steelには、マイク、スピーカー、タッチスクリーン、カメラなどの余分な機能は付いていないが、サムスンのGALAXY Gearのように「器用貧乏」に陥るという問題もない。動作には信頼性があり、多くのサービスや通知と結びついており、なにより筆者がこれまでに見たスマートウォッチの中で、時計としてもっともおしゃれだ。
現在市場に出回っているものの中では、筆者はPebble Steelを一番気に入っており、これには疑問の余地がない。
一方、筆者が気に入らなかったのは、次のような点だ。
Pebbleでは、ストレージ空間をメガバイトやギガバイトではなく、8つの「スロット」で表している。これは、アプリや文字盤、ゲームなど、すべてに適用される。Pebble Steelでも、ストレージのスロットは8つのままだ。新しいアプリの数が増えた今、このストレージの制約はかなり煩わしいものになった。たしかに、Pebbleアプリを使えばアプリの入れ替えは簡単であり、入れ替えるためのアプリは常時スマートフォン上に置いておくことができる。また、これらのアプリにはデータの維持は必要ないことから、アプリの削除や再インストールにデメリットはない。しかし、それではPebble Steelが独立したデバイスのように感じられない。せめて文字盤に8つ、アプリに8つのスロットを用意してほしかった。
不思議なことに、一部の新しいアプリでは、複数の機能や文字盤を1つのパッケージにバンドルしており、スロット数の制限を迂回しているように見える。これがどのような意味を持つか、筆者にはよく分からない。
確かに、Pebbleにはスマートフォンでできることを代替するアプリが数多くある。ランニングアプリ、サイクリングアプリ、睡眠状態記録アプリ、あるいは「iPhone 5s」の「M7」プロセッサと連携して、歩数を表示する歩数計アプリまである。しかし、バックグラウンドで使える本当のオフラインフィットネス記録アプリはまだ存在しない。残念ながら、まだPebbleを「Fitbit」や「FuelBand」、「Pulse」、Misfit「SHINE」などの、手首に着けるフィットネス記録デバイスの代わりにすることはできないのが現状だ。
オフラインでも使える歩数計測アプリもいくつか見つけたが、これらはアプリを切り替えるとデータが消え、歩数がゼロに戻ってしまう。PebbleとPebble Steelではマルチタスクがサポートされていないようで、これは将来のアプリの障害になりそうだ。PebbleとPebble Steelには加速度計(とジャイロスコープ)が搭載されており、理論的には完全なフィットネス記録デバイスとしても使えることを考えれば、これは残念としか言いようがない。今何か準備されているものがあるのかもしれないが、筆者が本当に期待していたのは、アプリを必要としない、何らかの基本的な歩数計機能だった。
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