Appleの新型「Mac Pro」は、デスクトップコンピュータに対する驚くほど新鮮な解釈を示した製品だ。しかし、おそらく読者向きのものではない。
テーブル上に置けるサイズの円筒型のデザインは、小さなビールだる、ジェットエンジン、キッチンの生ごみ入れなど様々なものに例えられ、ダースベーダ―のように黒く光るケースに収まっている。より重要なのは、このマシンが何十年にもわたって続いてきた、デスクトップコンピュータの部品を四角い箱の中に入れるという伝統を破ったことだ。この伝統は、長年オフィスに置かれてきた巨大なタワーにも、Apple自身の「Mac mini」のような小さな正方形のマシンにも受け継がれてきた。
最近のプロフェッショナル向けデスクトップであるMac Proと比べると、その差は顕著だ。同等、あるいはさらに高性能な部品を使っているにも関わらず、新しいバージョンの内部の体積は、巨大で四角張った古いMac Proデスクトップの約10分の1だ。並べてみると、その違いがはっきり分かる。
しかし、なじみのあるシルバーのタワーと、この新しく、洗練された黒い円筒型のマシンのターゲットは、人気の「MacBook Air」ユーザーや、オールインワンの27インチ「iMac」ユーザーなどとはまったく異なる。スタート価格が非常に高いことを別にすれば、主な違いは使われている部品にある。
ベースモデルのMac Proに必要な2999ドルで手に入るのは、クアッドコアの3.7GHz Intel Xeonプロセッサ、12GバイトのRAM、256GバイトのSSD、そしてAMD「FirePro D300」グラフィックカードだ。現世代の一般向けMacとの共通しているのは、より高速なPCIeスタイルのSSDストレージと、最新の標準である802.11acを採用したWi-Fiアンテナを採用している点だろう。
2番目のベースモデル(3999ドルから)は、6コアのXeon CPUに、16GバイトのRAM、AMD「FirePro D500」グラフィックカードを備え、同じ256GBのSSDを搭載している。さらに、GPUをD700にしたり、12コアのプロセッサにアップグレードしたりすれば、価格はさらに跳ね上がる。このモデルには、小さなタワーと電源プラグしか同梱されていないことに注意してほしい。キーボードやマウスでさえ別売りになっている。
Appleはこのマシンを、プロ水準デスクトップの未来の形と呼び、ハイエンドの動画制作や音楽制作での利用を想定しているが、グラフィックデザイナーやウェブサイト構築エンジニア、そのほかのクリエイティブな職業の人たちも、これを予算に入れ込もうとしているはずだ。
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