15インチ「Retina」搭載「MacBook Pro」レビュー--2013年版の改良点

Dan Ackerman (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2013年11月12日 07時30分

 Appleの15インチ「MacBook Pro」はパワーユーザーにとってお気に入りのプレミアムノートパソコンという位置付けを維持してきているが、Intelの現行世代CPUは搭載されていなかった。しかしそのアップグレードがついに、米国時間2013年10月のAppleのプレスイベントで発表された(ホリデーショッピングシーズンにちょうど間に合うタイミングだ)。

 「Retina Display」を搭載した、ハイエンドかつ高価格な前世代のMacBook Proは、少し特異な状況に置かれていた。他社のシステムは、低価格なノートPCから高価なハイブリッドPCに至るまで、Intelの第4世代「Core i」シリーズ、すなわち「Haswell」という開発コード名で知られている最新のCPUプラットフォームへと移行していたのだが、MacBook Proは今まで2012年のプロセッサを搭載し続けていたのである。

 「MacBook Air」では2013年6月にHaswellが採用された。そして、オールインワン型のデスクトップコンピュータ「iMac」も後に続いた。MacBook Proはその結果、より安価なMacBook Airと比べてCPU性能やバッテリ持続時間で1世代分の後れを取っていたわけだ。米CNETのラボテストでは、Haswellを搭載した「Windows」システムや「OS X」システムのバッテリ持続時間に著しい向上が見られたため、MacBook ProへのHaswell搭載が待たれていたのだった。

提供:Josh Miller/CNET
提供:Josh Miller/CNET

 しかしながら、このCPUアップデートが適用されているのは、本体の厚みがより薄い「MacBook Pro with Retina Display」モデルに対してのみである。なお、現在も13インチのMacBook ProだけはRetina Display非搭載の「クラシック」モデルが販売されている。Retina Display非搭載の15インチモデルはおそらく、見かけなくなって久しい17インチMacBook Proと同様の運命をたどるのだろう。なお、本記事では現行の13インチ、および15インチのMacBook Pro with Retina Displayモデルを便宜上、MacBook Proと呼称している。

ハードウェアの向上と低価格化

 MacBook Proの旗艦モデルには超高解像度ディスプレイが搭載されているため(13インチモデルは2560×1600ピクセルであり、15インチモデルは2880×1800ピクセル)、テキストを明瞭に、そして写真をくっきりと表示できる。より解像度の高いディスプレイを搭載した一部のWindows搭載PCとは異なり、OS Xは超高解像度ディスプレイに対して自由なアクセスを許すのではなく、画面上のコンテンツを最適なかたち(あるいはAppleが最適だと考えるかたち)で表示することに注力している。もっとも「Windows 8」のタイルインターフェースも、現在利用可能になっている一部の高解像度PCにおいて同様の方針を採用している。

提供:Josh Miller/CNET
提供:Josh Miller/CNET

 最近のMacBook AirやiMacと同様に、MacBook Proの新モデルでは802.11acというWi-Fi規格が採用されるとともに、より高速なPCIe接続のSSDストレージが搭載され、データ用およびビデオ出力用の「Thunderbolt 2」ポートも装備されている。

 2013年6月に13インチのMacBook Airが発売された時、基本モデルの価格が1099ドルである点に、うれしい驚きを感じたものだ。これを引き継ぐかたちで新しいMacBook Proでは、15インチモデルの価格が2199ドルから1999ドルへと引き下げられている(同様に13インチモデルでは1499ドルから1299ドルに引き下げられている)。こういった値下げは、価格は据え置いてハードウェアに付加価値をつけるという今までのAppleのやり方とは異なっている。

 15インチの基本モデルには、8GバイトのRAMと256GバイトのSSD(Appleは「4分の1テラバイト」と表現していた)が搭載されている。米CNETでレビューした15インチMacBook Proは2599ドルという価格の(大幅)強化モデルであり、より高速な2.3GHzの「Core i7」プロセッサと、16GバイトのRAM、512GバイトのSSD、NVIDIAの「GeForce GT 750M」というGPUが搭載されている。

 ちょっとしたテストを行ってみたところ、これらの新型モデルは見た目も感触も前世代のものと非常によく似ていたため、2012年のモデルを使用しているのであれば、買い換える必要はないだろう。しかし、Retina Displayを搭載したMacBook Proをまだ持っていないのであれば、バッテリ持続時間が長くなり、パフォーマンスがそこそこ向上し、Wi-Fi接続が高速化され、基本価格が安くなったという点により、買い換えるだけの十分な理由があると言える。

Apple
15インチ
MacBook Pro
(2013年10月)
Apple
15インチ
MacBook Pro
with
Retina Display
(2012年6月)
Dell
ALIENWARE 14
価格 2599ドル 2199ドル 1799ドル
ディスプレイ
(解像度)
15.4インチ
(2880×1800)
15.4インチ
(2880×1800)
14インチ
(1920×1080)
CPU Intel
Core i7-4850HQ
(2.3GHz)
Intel
Core i7-3615QM
(2.3GHz)
Intel
Core i7-4700MQ
(2.4GHz)
メモリ 16Gバイト
DDR3 SDRAM
8Gバイト
DDR3 SDRAM
16Gバイト
DDR3 SDRAM
グラフィックス 2Gバイト
NVIDIA
GeForce GT 750M
Intel
Iris Pro Graphics
1Gバイト
NVIDIA
GeForce GT 650M
Intel
HD Graphics 4000
2Gバイト
NVIDIA
GeForce GTX 765M
ストレージ 512GバイトSSD 256GバイトSSD 256GバイトSSD
+ 750Gバイト
光学式ドライブ 非搭載 非搭載 BD-ROM
ネットワーク 802.11ac、
Bluetooth 4.0
802.11a/b/g/n、
Bluetooth 4.0
Gigabit Ethernet、
802.11b/g/n、
Bluetooth 4.0
OS OS X 10.9
(Mavericks)
OS X 10.7.4
(Lion)
Windows 7
Home Premium
(64ビット)

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