Appleがデスクトップコンピュータで、劇的な変化を起こしたのは、これが初めてではない。「G4 Cube」は、未来のPCを代表することを目指してつくられた、有名な小さな光る箱だ。G4 Cubeは商業的に成功したというよりは、カルト的な人気を集めた製品だったと言うべきだろうが、この新型Mac Proは、パワーを最大化しながら占有スペースを最小化するという方向性における、論理的な進化のように感じられる。
Mac Proシリーズは、刷新を必要とする頃合いだった。既存のタワー型のデザインは、Appleの現製品の中でももっとも古いものの1つで、「Power Mac G5」と呼ばれた製品の頃からほとんど変わっていない。今回まで、Mac ProにはUSB 3.0も、Thunderboltも、その他のMacBookユーザーに提供されていた機能もなかった。
では、なぜ今これだけ大きなオーバーホールが行われたのだろうか。その理由の1つは、これまでAppleがこれまでMac Proを刷新する必要をあまり感じてこなかったことだ。これは、Mac Proは主に数は少ないが安定したプロフェッショナルユーザーを対象とした製品であり、新たなユーザーを獲得するために、iMac的な派手なスタイルの変更を必要としなかったためだ。しかし、最後にMac Proに大きなオーバーホールが行われてから経った年月の間に、コンピュータ業界は従来のタワー型デスクトップから、ラップトップ、オールインワンデスクトップ、タブレット、そして「Lenovo Horizon 27」のようなタッチスクリーンを持つ「テーブルトップPC」へと、劇的に変化した。
AppleはどうやってMac Proをこれほど小さな形へと作り直すことができたのだろうか?部品は、Appleが「統合されたサーマルコア」と呼ぶものの周囲に配置されている。小さなロックスイッチをアンロックの位置に動かすと、システムの外側のケース全体が持ち上がり、内部が露出する。取り外しや交換は簡単に行えるが、そのためにはまず電源とビデオの接続を外す必要がある。これがアイデアであることは明らかだが、長年PCをいじってきた者としては、マシンを動かした状態でケースの中身に触れることができないのは残念だ。
Mac Proの内部には、金属の三角柱形のかたまりがあり、これがヒートシンクと、マザーボードや部品を取り付ける中心的な構造の両方の役割を果たしている。1つの面にはSSDが、別の面にGPUが配置されており、RAMスロットはポートパネルの両側に置かれている。
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