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アップルの新ソフトウェア戦略--「OS X Mavericks」「iLife」「iWork」無料化の狙い - (page 2)

Richard Nieva (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年10月29日 07時30分
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 その戦略は、以前から生産性ソフトウェア分野を牽引してきたMicrosoftに対抗する動きと見なすこともできるだろう。AppleはプレゼンテーションでMicrosoftに対する皮肉まで言い、スライド上で「Office 365」ユーザーが年間99ドルの料金を支払っていることに言及した。調査会社IDCのアナリストであるMelissa Webster氏によると、生産性ソフトウェア分野におけるMicrosoftの強さはあまりにも圧倒的なので、IDCは同分野の市場シェアデータを保持してさえいないという。では、AppleがiWorkを無料にしたことはどう解釈すればいいのか。Webster氏は、「Microsoftに対する攻撃的で優れた戦略だ。新しいMacユーザーはMicrosoft Officeの購入をためらうようになる」と述べた。

 またWebster氏によると、MicrosoftがiPad版Officeのリリース準備を進めているため、AppleはiWork無料化によってMicrosoftに対する先制攻撃を行い、ユーザーをApple独自のサービスに誘導しようとしているのかもしれないという。Microsoftも自社製品の無料提供を行っている。同社は先々週、「Office 365 ProPlus」のライセンスを教員や職員向けに購入した教育機関の学生を対象に、同サービスを無料で提供すると発表した。

 もちろん、生産性ツールはMicrosoftの最大のドル箱製品の1つであり、同社にとって「Windows」に次ぐ収益源だ。したがって、Appleのソフトウェア戦略が実際にMicrosoft Officeの魔力を打ち破る可能性は低い。しかしそれは、Appleが自社ユーザーの関心を引き、なおかつ競合を混乱させようという有益な戦術なのかもしれない。「これは(Microsoftの)注意を逸らすのに役立つ」とWebster氏は述べ、「相手を紙で1000回切って死に至らしめるような戦術だ」と続けた。

 ソフトウェアを無料提供することは、Appleにとってごく自然な動きでもあるのかもしれない。テクノロジ調査会社Sand Hill Insightsの創設者であるChuck Jones氏は、新規Macユーザーの大半はおそらく「iPhone」やiPadを既に所有しているはずで、iOS(AppleのモバイルOS)のアップデートはずっと無料で提供されていると指摘した。デスクトップOSでも同じ戦略を採用することは、消費者行動によい影響を及ぼすかもしれない。

 今回の戦略の変更は、Appleの競合他社が製品ポートフォリオの強化に取り組む中で実施されたが、今はAppleが非常に有利な立場にいるときでもあり、批評家たちはその状態を惰走と評しているほどだ。同社はこのところ革新を行う能力を失ってしまったと批判されることが多いものの、依然として莫大な利益を上げ、多くのユーザーを有している。Jones氏は「現在、同社のエコシステムには非常に多くの人々がいる。今は、彼らがそこに留まるように策を講じるべきときだ」と述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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